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宇都宮地家裁の現職裁判官、ストーカー容疑逮捕

2008年05月21日18時34分

 女性の携帯電話にメールを送りつけてストーカー行為をしたとして、山梨県警生活安全企画課は21日、宇都宮地、家裁足利支部長の裁判官、下山芳晴容疑者(55)=東京都文京区千石3丁目=をストーカー規制法違反の疑いで逮捕した。

 調べでは、下山容疑者は今年2月19日から3月19日にかけて、山梨県内に住む20代の女性の携帯電話に「今度いつ会えるかな」「こんばんは。今、何しているの」などという文面のメールを十数回にわたって送りつけるストーカー行為をした疑い。

 下山容疑者は事件当時、山梨県都留市にある甲府地、家裁都留支部長だった。調べによると、メールを送りつけたのは午後9時以降で、県内外のインターネットカフェや都内の自宅のパソコンからフリーメールを使い、名乗らずに送信していた。女性は、誰から送られてきたメールかわからなかったという。

 女性は3月18日、「名前を名乗らない相手からメールが届いて気持ち悪い」と、県警に相談。4月10日に被疑者不詳のまま告訴し、受理されていた。県警は、ストーカー規制法に基づく警告はしていなかったという。21日、取り調べのために県警に出頭させ、逮捕したという。

 下山容疑者は1984年に浦和地裁判事補として任官。東京地裁、浦和地、家裁裁判官などを経て、04年4月から今年3月まで、甲府地裁都留支部長だった。同年4月から現職。

 宇都宮地裁の西岡清一郎所長は21日夜、「現職の裁判官が逮捕されたことは極めて遺憾。処分については、捜査状況を見ながら厳正に対処することになる」と述べた。

 同所長によると、下山判事は4月1日付で同地裁、家裁の足利支部長に着任したが、同10日に今回の容疑で捜査対象になっていることが分かり、以降は自宅待機としたという。23日には同地裁判事となっていた。このため、実質的な勤務は3日間で、競売や家事事案を担当した。人柄については「3日間しか勤務していないので…」とうつむいた。

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