ATSUKO LOG

【ルリュールおじさん】
いせ　ひでこ　作
理論社


この絵本を昨晩、夕食後に子供たちに読んであげました。

リクエストに答えて、ルリュールおじさんと、ソフィーとお話の声色を変えながら‥じっくりと♪

もちろん感想は聞きません。
それぞれの心で感じているのたがら‥

この絵本は、先日柳田邦男さんのご講演を伺い、話題にされたお話から求めました。

最近の産科の乳児検診の時の待合室では、母親達の和やかな会話も聞こえずに、授乳しながらも赤ちゃんの目を見つめないで携帯電話の画面を見ながら‥‥
赤ちゃんをテレビの画面に子守りをさせている現実などのお話。
(もちろん、ごく一部の方の例でしょうが‥)


もっと赤ちゃんと目を見つめ合って語りかけてほしい、お母さん同士のコミュニケーションで育児についても語り合ってほしい、そしてテレビではなくて、実際にお母さんの声で絵本を沢山沢山読んであげてほしいと‥

素敵な絵本も沢山ご紹介下さいました。


私も二人の育児を母乳のみで過ごし、２年位前まではテレビの無い生活をして、子どもと一緒に絵本を読んで、公園で遊んだり、時には映画やミュージカルを見に行ったりと、特に不自由なく暮らしてきました。

最近は、子ども達も成長して自分たちで読書もしますし、テレビもリアルタイムではなく、録画したものを視聴していますし、インターネットも使っています。
漫画も楽しそうに読んでいますね。

小学校、中学校と別の環境になり、心の成長をしている今だからこそ、静けさの中で絵本を読む時間を大切にしたいと改めて感じています。

【ルリュール】とは、印刷技術が発明されたヨーロッパで、本の出版が容易になってから発展した職業でフランスでも数少なくなってしまった製本・装丁の職人さんのことです。

ソフィーは、植物が大好きで大好きで何度も何度も見ていた図鑑がばらばらになってしまいました。

こわれてしまった本を持って、新しい植物図鑑ではなくてこの本をなおしたいと歩くうちに、ルリュールの存在を知ります。

ルリュールおじさんは、ソフィーの本を一度ばらばらにして、“もう一度つなげる”(ルリュールの意味)手作業をして、綴じ直し60以上の工程を経て、新しいアカシアの絵の表紙に金箔で〜ソフィーの木たち〜とタイトルをつけて、図鑑を見事によみがえらせてくれました。

そして二度とこわれなかった図鑑を持ち、ソフィーは植物学者になるのでした。

ルリュールという手仕事の職人さんにより本の大事な知識や物語や人生の歴史までも、未来にむかって伝えていくこと。

子どもだけでなく、大人にも大切な何かを伝えてくれる絵本でした。