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自民、消費税率上げ検討始める 年金財源にらみ前倒し

2008年05月21日06時02分

 09年度から国庫負担割合を引き上げる基礎年金や膨らむ高齢者医療費の財源を安定的に確保するため、自民党は20日、消費税率引き上げの検討を始めた。党税制調査会(会長・津島雄二元厚相)の幹部が協議し、消費税を含めた税制の抜本改革に向けた論議を前倒しすることを確認した。年末に向け、引き上げの是非も含めて結論を出す方針だ。

 ここ数年、消費税率引き上げは論議の対象になりながら先送りされている。しかし、基礎年金の国庫負担割合の引き上げ時期が迫り、自民党内では「消費税以外に方法がない」(幹部)と税率引き上げ論が強まっている。4月に導入された後期高齢者医療制度への批判に関し、伊吹文明幹事長は「保険料率の上昇に年金世代が耐えられないと、税の議論になる」と指摘。社会保障費の抑制には限界があるため、消費税に頼らざるを得ないとの判断だ。

 党税調の津島会長や与謝野馨小委員長ら幹部による会合は、昨年より約5カ月も早い。自民党案の検討に時間をかけることで、国民の理解を得て、民主党など野党を協議に引き込むのが狙いだ。

 引き上げ幅や時期は、景気動向や世論の反応などを見極めながら詰める。与謝野氏が会長を務める党財政改革研究会は昨年11月、消費税率を2010年代半ばに10%程度に引き上げる案をまとめた。増税感を薄めるため、高齢者を抱えたり、教育費がかさんだりする世帯を対象にした減税案も検討する。

 例年秋に議論を始める政府税制調査会も、福田首相の指示で、近く会合を前倒しして開く。税制抜本改革に向け、結論の取りまとめに時間をかける必要があるとの判断からだ。

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