ビール発祥の地が横浜って本当?

2009年開港150周年で調べた「ことはじめ」

宮本 聰(2008-05-20 15:40)
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 横浜は来年(2009年)、開港150周年を迎えます。「横浜ことはじめ」をひもとくと、横浜発がなんと多いことかと驚かされます。

 1859年に開港後、横浜には欧米の新しい文化が短期間におしよせました。次の3つは誰もがよく知るところだと思います。

鉄道:明治5年9月、横浜~新橋間で営業開始
ガス灯:明治5年9月、最初のガス灯に点灯
水道:明治20年、近代水道として配水

 このほかにもアイスクリーム、食肉、牛乳、パンなど、横浜から全国に広まったものや文化は多岐にわたります。

ビールも横浜発

キリン横浜ビアビバレッジ正面(撮影:宮本聰)
 ビールが横浜発であることをご存じでしようか? 感覚的には札幌や神戸などをイメージする人もいるでしょう。いつも車窓から見えるビール発祥の地に出掛けてみました。

 1872年(明治5年)米国人ウィリアム・コープランドが横浜市山の手にある「天沼」(現在の北方小学校付近)でビールに適した湧水(ゆうすい)を見つけ、「スプリングバレーブルワリー」という醸造所を作ったのがはじまり、だそうです。その跡地にキリンビールの前身であるジャパン・ブルワリーが創業しました。

初代のナンバーワン宣伝カー(撮影:宮本聰)
 1926年、現在地の横浜市鶴見区生麦に横浜工場が移されました。構内にあるキリン横浜ビアビレッジでは、ビール製造工程の見学や試飲、そして構内レストランでつくりたてビアパーティー等を体験することができます。

 京浜急行線「生麦駅」より徒歩10分(またはJR「新子安駅」徒歩20分)の産業道路沿いにあり、車が便利です。今回は、ビールを飲むということもあって電車で出掛けました。

 着いてすぐ、ブルワリーツアーに参加しました。40分ほどで、ビールの製造工程(原料、仕込み、発酵・貯蔵、ろ過、パッケージング)をガイドさんが案内してくれます。

缶ビールの注ぎ方を伝授するガイドさん(撮影:宮本聰)
 見学コース内には、映像や展示物を駆使して、見学者に分かりやすい工夫がされています。説明では、缶ビールが全体の7割を占めるそうで、瓶ビールは年々少なくなっているとのお話でした。

 ツアーの最後にでた、つくりたてのグラスビールのおいしかったこと! お代わり1杯つきでしたが、残念ながらほんのお口汚し程度、火が着いた胃袋を静めるべく、レストランへ向かいました。

 敷地内にあるパブブルワリーは、明治初期のビール醸造所をイメージして建てられた、赤レンガの建物です。パブとミニブルワリー(小規模醸造所)が一体化したハイカラなスペースで、入り口に古い醸造設備の展示があり、パブからは実際に稼働している小型のビール醸造設備をガラス越しに見ることができます。高い天井の内部は開放的でゆったりくつろげます。ここでしか飲めない地ビールとリブステーキのコンビネーションは絶妙で、至福のひと時を過ごしました。

横浜工場全景(撮影:宮本聰)
 ビール製造工程の見学とレストランでの食事にすっかり満足し、ほろ酔い加減で帰途に就きました。横浜のことはじめに皆さんもお出掛けになりませんか。

■関連リンク
よこはま事始め(横浜開港記念館)
横浜ビアビレッジ



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