長寿企業大国日本~老舗企業の研究~
株式会社パーソナルデザイン 代表取締役
200年以上続く企業が世界にどれくらいあると思いますか? そして、日本ではどうでしょうか? 実は200年以上続く企業の40%が日本にあります。そんな世界の老舗企業を研究している機関があります。
「100年企業に学ぶ伝統と革新」と題して世界の老舗企業を研究している機関が世界にあります。それがファミリービジネスネットワーク(FBN)です。
昨年の世界大会はモナコで開催されました。私はイタリアの視察ツアーのみ参加しました。今年は、9月15日からイタリアで恒例の視察ツアーとベルリンでの世界大会の予定です。
さて、日本では3年前より沖縄で大会が開かれ、ファミリービジネス(同族)の強みと革新すべき点、そして事業継承のあり方について研究されています。
その中心的人物が、光産業創成大学院大学教授の後藤俊夫氏です。
フジサンケイビジネスアイでは、「経済の隠れた主役 ファミリービジネス探訪」を連載されていらっしゃいます。
その研究の中で大変興味深いのは、創業200年以上の会社が日本には3100社存在すること。しかも、世界全体総数の40%を占めているそうです。
ドイツには800社、オランダには200社、アメリカには14社、中国には9社、台湾7社、インドにはたった3社というからこの日本の数字はすごいことがわかります!!!
業種は、旅館、料亭、酒造、和菓子が4割をしめているそうです。
一方次に多いドイツでは、パン屋、地ビールだそうです。
中には、1000年以上続く会社が関西に存在する「金剛組」。
西暦578年からなんと1428年続く企業です。
私の故郷、岐阜にある鋳物メーカー「岡本」は、永禄3年、戦国時代の創業です。
当初は、鍋カマを作っていたそうですが、時代にあわせ、飛行機の部品、現在では半導体や治具まで作っています。
皆さんご存知のトラさんの舞台、帝釈天の鐘はこの岡本で作られたものです。
さて、代々社長は岡本太右衛門という名を継承していますが、直系ばかりでなく定期的にむこ養子を取ってきたといいます。そのため、絶妙に経営のバランスがとれてきたのだと現在の会長はおっしゃいます。
この日本の老舗企業は、不況のときでも30%近くは成長しており、横ばいでも50%近く。
これだけの安定経営を続けられるのは、それだけの長期的ビジョンをもっているためではないでしょうか。
というのも、ひとりの社長の平均就任期間は、平均28年間だそうです。
古いものを排除し組織の革新を叫ばれる現在だけに、この老舗企業の経営は大変参考になるのではないでしょうか。
酒好きな私としてはこの後藤先生の研究で興味あるのは、100年以上続く居酒屋。
早速お聞きしてみたら、
1856年創業の台東区根岸の「かぎや」
1877年創業の千住にある「大はし」
1905年創業の神田の「みますや」
そして、1653年創業の大阪にある「すし曼本店」
ぜひ足を運んでみたいものです。
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