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中之島フェスティバルタワー、冷暖房に河川水利用

2008年05月13日

 河川水を利用した地域冷暖房システムで二酸化炭素排出量を減らし、ヒートアイランド対策にも貢献――。建設に向けて動き始めた朝日新聞社と朝日ビルディングの「中之島フェスティバルタワー」(仮称)は、文化・情報発信・オフィスの各機能の充実とともに、環境に優しいビルをめざしている。

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写真「中之島フェスティバルタワー(仮称)」について会見する池内文雄・朝日新聞大阪本社代表=13日午後、大阪市北区

 環境省などによると、日本の都市部の平均気温はこの100年で2〜3度上昇した。国は05年、大阪・中之島など7都道府県13地域を「地球温暖化対策・ヒートアイランド対策モデル地域」に指定。行政と民間が連携して課題に取り組んでいる。

 この流れで、大阪市北区中之島3丁目にある関西電力本店は同年、河川水を利用した地域冷暖房システムを導入した。中之島フェスティバルタワーも関電のシステムを採用し、運営・管理を関電の関連会社に任せる。

 このシステムは、北側を流れる堂島川の水をビルの地下に取り込み、冷暖房のために熱を利用した後、南側を流れる土佐堀川に戻す仕組み。

 河川水は水温が安定し夏は冷たく冬は温かいという特徴があるため、大気の熱を利用する通常の方式に比べ冷暖房に使うエネルギーが効率化され、二酸化炭素排出量は通常の年間4400トンから2600トンに削減できる見通しという。

 また、これまでは空調時に出た熱をビル屋上の冷却塔で水蒸気に変えて大気に排出していたが、このシステムでは土佐堀川に熱を逃がす。大気への放熱がなくなるため、ヒートアイランド対策に貢献できる。

 一方、堂島川からの1時間あたりの取水量は平均河川流量の1.5%程度で水位に影響はなく、土佐堀川に水を戻すことによる水質や生態への影響も小さいという。

 朝日新聞社と朝日ビルディングは、ビルの周辺と中高層部の屋上緑化や、省エネ効果のある2重ガラスの採用などと合わせ、「環境への負荷をできるだけ減らす」としている。

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