【広元(中国四川省)稲垣淳、岡崎英遠】中国・四川大地震で発生した北川県茶坪の「地震湖」が決壊する恐れが高まり、地元当局は17日、付近住民に避難勧告を出した。新華社通信によると、川が土砂でせき止められた地震湖が13カ所で発生したほか、堤防に亀裂が入るなど「危険な状態」になったダムが391カ所ある。政府は現場に専門家を派遣するなど、緊急調査を行っている。
茶坪の地震湖は水や土砂の流入で水位が急上昇。避難勧告を受け、住民数千人が高台に移動し始めたという。
被災地周辺では20日ごろから天候が崩れる見通し。大雨によって地震湖やダムが決壊した場合、都江堰市や成都市などで水害が生じる可能性もある。
一方、中国政府は17日、地震による死者を2万8881人と発表。負傷者は19万8347人に上った。被災地の中には最高気温が30度近くに上がる場所もあり、政府は防疫にも全力を挙げる。
四川省青川県で17日に母子の2遺体を収容した日本の国際緊急援助隊は同日午後、第2陣と合流し、南西に約120キロ離れた北川県に向けて出発。現地からの情報によると、18日未明に到着し、倒壊した中学校で救助活動に入った。
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