2008.05.18 Web posted at:  18:23  JST Updated - CNN/AP
ワールド

米仏の援助物資船の領海入りまだ認めず、ミャンマー軍政

ミャンマー(ビルマ)南部を直撃した大型サイクロンの被害で、フランス政府が派遣した、食糧、飲料水、簡易テントや医薬品など1500トンの援助物資を積む同国海軍艦船が17日、ミャンマー領海近くに到着した。AP通信によると、入港、領海航行の許可は軍事政権側から出ていない。

フランスの国連大使は16日、軍政は仏艦船の領海通過を拒否していると述べた。代替手段として、船の援助物資を最大都市ヤンゴンに空輸する案を示したが、仏側は抵抗している。入港を求める折衝が軍政当局と続いているという。

同大使は、入港などの不許可は人道行為に対する犯罪であると強調。同艦船は小型ボートを積んでいることから、激甚被災地のイラワジ川流域に支援物資を速やかに直接運ぶことが出来ると主張している。

仏艦船の艦長はAP通信に「軍政の許可が出るまで、数日間、数週間は待つ」とも語った。米軍艦船も支援物資を積み、ミャンマー近海で待機しているが、被災地へ向かう許可は出ていない。ヘリコプターを使い、物資を被災地へ直接搬送することも認められていないという。

被害の救援活動で軍政は、海外からの支援物資は概ね受け入れるものの、一部近隣諸国を除き、援助要員の入国は厳しく規制、国際社会の反発を招いている。救援活動が遅れることで「二次災害」が発生、犠牲者がさらに増えるとの懸念も強い。

この中で、ブラウン英首相は17日、「軍政は国民の福祉より自らの政権の存続を選んでいる」「天災が人災になりつつある」と指弾した。英BBC放送に語った。

一方、軍政は17日、在ヤンゴンの外国大使館員や国際機関職員らに激甚の被災地・エヤワディ管区の視察を初めて認めた。ただ、援助が行き渡らない地区に入ることは認めなかったという。視察は、外国の援助要員の拒絶で高まる国際批判をそぐことが狙いとみられる。参加した米大使代理は「ショーに過ぎない。見せたかった物を見せただけだ」と批判した。

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