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対日感情が好転 国際緊急援助隊の派遣で (1/2ページ)
【北京=福島香織】四川大地震の被災地に日本の国際緊急援助隊が派遣されたことで、中国での対日世論が改善している。重慶の日本総領事館には市民のお礼の電話が寄せられ、ネット上では愛国主義青年の書き込みの中に「感謝」の文字が躍る。中国各紙も好意的に報道しており、日本の経験に学ぶよう呼びかける論評も少なくない。
重慶市の日本総領事館によると16日に湖南省の30代の男性から電話があった。涙声で、「祖父から日本軍の蛮行を聞かされ日本が大嫌いだったが、今回の件で日本に対する嫌悪感が感謝と尊敬の念に変わった」と感謝したという。
インターネットの掲示板などにも親日的な書き込みが相次いでいる。日本の援助隊は17日朝、母子2人の遺体を搬出したが、その際、整列し黙祷(もくとう)をささげている様子が新華社の電子版などで流された。これに対し、普段は反日的な書き込みであふれる憤青(フンチン、愛国主義青年)の言論サイト「強国論壇」には、「日本人民は非常に礼儀正しい。日本の救助隊はプロフェッショナルで、規律正しい」「中国人は日本人の質(人格)を学ぶべきだ」といった賛辞が寄せられた。
同じく憤青御用達の「中華ネット」でも、日本の援助隊による夜を徹しての手作業での母子救出劇について「ありがとう!中国人民は彼らを絶対忘れない」「以前の嫌悪をすて、ともに“家庭”を作ろう」といった感謝の書き込みが集まった。「日本の姑息な手段だ」といった反日に徹する書き込みもあるが少数派だ。
また国営新華社通信は17日、「日本人が蓄積した豊富な地震との闘争の経験を学ぼう」と呼びかける論評を出した。小学校では定期的に避難訓練が行われ、主婦は地震発生時に火の元を締め窓を開け、防災ザックを常備しているなど、日本人の防災意識の高さを紹介している。