ヤンゴン――ミャンマー(ビルマ)南部を直撃した大型サイクロンの被害で、フランスの外務、国防両省は17日、食糧や医薬品など1500トンの援助物資を積んだ同国海軍艦船が17日中にミャンマーの被災地近くの海域に到着すると述べた。
ただ、フランスの国連大使は16日夜、ミャンマー軍事政権は同日現在、仏艦船の入港を拒否していると述べた。代替手段として、船の援助物資を最大都市ヤンゴンに空輸する案を示したが、仏側は抵抗している。
入港を求める折衝が軍政当局と続いているという。
同大使は、入港の不許可は、人道行為に対する間違いのない犯罪であると反発。同艦船は小型ボートを積んでいることから、激甚被災地のイラワジ川流域に支援物資を速やかに運ぶことが出来ると主張している。
AP通信によると、同じく大きな被害を受けたヤンゴンの住民は相互の電話連絡などで仏艦船の到着を知っており、援助物資の到来を心待ちにしているという。
被害の救援活動で軍政は、海外からの支援物資は概ね受け入れるものの、一部近隣諸国を除き、援助要員の入国は厳しく規制、国際社会の反発を招いている。救援活動が遅れることで「二次災害」が発生、犠牲者がさらに増えるとの懸念も強い。