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コンサ、集客でも苦戦2008年05月14日
■「J1戻れば・・・」期待外れ 6年ぶりにJ1に復帰、リーグ第12節までで3勝8敗1分け、17位と苦戦しているコンサドーレ札幌は、集客でも苦しんでいる。今季、札幌ドームでの5試合の平均入場者数は目標の1万8千人を下回っている。サポーターズ持株会の1万口の会員募集も、当初予定していた締め切り日を延長してようやく目標を達成した。「J1に上がれば人気は回復する」との見込みがはずれ、資本金の減増資で再出発を図る経営改善計画に黄信号が灯っている。(平間真太郎) ■野球・バスケに客分散 地元密着で盛り上げ 今季の札幌ドームの平均入場者数は1万6881人。6日の東京ヴェルディ戦は大型連休最終日にもかかわらず、空席が目立ち、入場者数は1万6508人にとどまった。 コンサドーレを運営する北海道フットボールクラブ(HFC)によると「5月6日までの平均入場者数はJ1の18チーム中10位。しかし、単年度黒字を達成するための目標は下回っている」。試合ごとに食料品などをプレゼントしたり、コンサドールズと一緒に踊る企画を組んだりしているが、集客効果はいま一つだ。 苦戦の原因の一つは、かつてJ1で戦った6年前との環境の変化。当時はなかったプロ野球の北海道日本ハムファイターズとプロバスケットボールのレラカムイ北海道が道内に誕生し、サッカー観戦に来ていた市民が他競技に流出した。 特に、日本ハムはコンサドーレがJ2に落ちていた06年に日本一、07年はリーグ連覇と道民を熱狂させ、一気に固定ファンをつかんだ。新庄や森本らによる明るいチームづくり、球場でのサインボールプレゼントのほか、ヒルマン監督の弾き語りやユニークな記者会見など次々と話題を提供してきた。レラカムイも、身長2メートル級のイケメン選手の迫力あるプレーに若い女性ファンが急増した。 これに対し、コンサドーレはJ1昇格で一気に人気を盛り返すはずが、意外に伸びない。熱心なサポーターは成績にかかわらず応援を続けているが、若年層への広がりに欠けるのが実情だ。 HFCは入場者伸び悩みの原因として無料招待券の配布停止を挙げる。昨季は少年チームや小中学校を中心に、1試合平均2千〜3千枚の招待券を配布していたが、今季はやめた。ホームゲームに多くの観客が駆けつけるJ1新潟は、町内会などに無料招待券を配布し、目の前で迫力あるプレーを見せることでサポーターを獲得した。石井亮・運営部長は「新規サポーター開拓に無料招待券を復活させる案も出ている」というが、「株主に減資を強いたのに、無料招待券を発行するのはどう受け止められるか」と二の足を踏む。 月刊誌「北のサッカーアンビシャス」の柴田勗(つとむ)代表は「道内には小学生からシニアまで約8千のチームがある。そのメンバーを味方に付けることが必要。彼らが来やすいように、土日祝日は試合開始を夜にして、メンバーや家族が格安料金で観戦できるようにすれば、観客の輪を広げられる」と指摘する。 今後、札幌ドームより収容人数の少ない札幌厚別公園競技場での試合もあり、目標達成には入場者数の大幅な増加が必要だ。石井部長は「試合時のイベントはもちろん、小中学生へのサッカー指導やドーレくんの幼稚園訪問など、地元への貢献を積極的に展開して観客増につなげたい」と話している。 柴田代表は「試合内容も含めて来て楽しい雰囲気作りが大事。ハーフタイムのダンスコンテストやドーム隣のオープンアリーナを開放し、屋台を出して試合前後にサポーターが気勢を上げられるようにするなど盛り上げ策はたくさんある。チーム力強化とともに、観客に喜んでもらえると思うことはすべてやる姿勢が必要だ」と話す。 サポーターズ持株会の佐藤良雄理事長も「地元密着型のチームなのに、観客と選手をつなげる努力が足りない。経営陣に営業力や顧客層を広げる力を持った人材が必要」と指摘している。 HFCの児玉芳明社長は「経営改善計画にめどが立った」として6月中に辞任するが、新社長はコンサドーレ存続を賭け、早急な打開策が求められる。 ◇ ■持株会員募集1万口を突破 コンサドーレ札幌サポーターズ持株会(佐藤良雄理事長)は12日、北海道フットボールクラブ(HFC)の増資に向けた会員募集で、目標の1万口(1億円)を突破したと発表した。9日現在、1万1568口(1億1568万円)の応募があった。募集は16日まで。 佐藤理事長は「多くの方のご協力に感謝したい」と話し、J1残留に向けて、早急に選手を補強してチーム力を高めるよう、HFCに要望した。 マイタウン北海道
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