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2008年5月14日放送 |
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今回の番組についてみんな大好きな焼きそば。街頭インタビューでも、60人中全員が焼きそば好きと答えました。でも、どんな焼きそばが好きかを尋ねると「特にない」「別にない」と、はっきりしない答えばかりでした。 そこで、全国各地から4組の焼きそば達人に参加してもらい、家庭でできる理想の焼きそばを研究しました。その結果、ついに常識がくるっとひっくり返る作り方を発見! |
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オープニングクイズ
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「焼きそば そーとーうまい秘密」ある食べ放題のバーベキュー場を尋ねると、来ていたお客さんのうち50組中48組が焼きそばを作っていました。お客さんは「外で食べるとおいしい」「外の雰囲気がいい」と言います。 実際に来ていた家族の協力で、自宅でも焼きそばを食べてもらうと、「外の方が美味しかった」と言います。そこでもう一度バーベキュー場でフライパンを使って焼きそばを作ってもらったところ、鉄板で作ったものに比べて柔らかくフニャっとした麺(めん)になってしまいました。ジャンプ台を使って、鉄板で作った焼きそばとフライパンで作ったものを比較する実験を行ったところ、前者のほうが弾力がありました。 バーベキューで食べるとおいしかったのは、雰囲気や外の解放感ではなく、鉄板とフライパンによる、作った麺の弾力の違いにあったのです。 鉄板とフライパンの違いは「蒸す」と「煮る」鉄板に水をかけると、水は広がって蒸発します。そのため鉄板では、麺を蒸し焼きにすることになります。一方フライパンでは、水は広がらずに底にたまってお湯になります。麺が柔らかくなるのは、水分が多いと、フライパンの底で麺が煮えた状態になるためなのです。しかも、この時にデンプンが溶け出して、フライパンに張り付く原因となります。 家で作る焼きそばのレシピで麺に入れる水の量が指定されているのは、煮る状態を防ぎながら必要な水分を与えるためです。火力の違いや野菜から出る水分の違いが、フライパンに麺が張り付く原因となっていたのです。 |
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「メンメン(全然)違う〜!鉄人の麺(めん)」家で作る焼きそばをもっとおいしくするために、プロの味を調べることにしました。 究極の焼きそばを求めて、大阪にある鉄板焼きのプロを育てる学校を訪ねました。ここの講師である鉄板の鉄人の焼きそばを試食した大阪のおばちゃんたちは「モチシコ」のコシがあると絶賛、さらに「麺にソースの味がしみている」と言います。 ソースが染みる秘密は温度麺に味がしみ込む理由は、実は以前のガッテンでもお送りしたワザにあります。2007年10月の放送の「パスタ!おいしさ頂上大作戦」では、「麺にソースが最もよくしみ込む条件は、ソースが98度のとき」とご紹介しました。熱と水分で麺のデンプンが糊化(こか)して溶け出すことでできた「麺のくち」にソースがしみ込むのです。 焼きそばも麺は100度以上であり、冷たいソースをかけた時も、熱い鉄板のおかげですぐに100度以上になっていました。この高温が、プロの焼きそば麺に味がしみ込んだ理由だと考えられます。 |
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「日本全国焼きそば達人 メンツをかけた戦い」実は鉄人が使っている麺はプロ用の特製のもので、市販はされていません。そこで家庭で手に入る市販の麺を使って、プロのコシと味のしみ込みを目指すため、全国各地の焼きそばの達人4組に市販の麺でプロの味を出す調理に挑戦してもらいました。 達人たちは、麺をお湯で洗ったり、湯がいたり、中華鍋を使ったり……。しかし、いずれの達人も、麺のコシ、味のしみ込みともにうまくできませんでした。 「達人の麺」と「家庭の麺」の違い家庭用の麺は太さが1.8ミリと細いのに対して、達人の麺はおよそ4ミリと倍の太さがあります。この太さの違いによって、達人たちは麺の中にコシを生み出していたのです。 さらに、プロの麺の水分量を特殊な方法で調べたところ、麺の外側には水分が多く、内側には少ないという水分傾斜があることがわかりました。水分が多い麺の外側は柔らかく、少ない中心はしっかりとした食感になっていることが、プロの麺にあるコシの秘密でした。家庭の麺は細いため、すぐに水分が一定になってしまい、水分傾斜によるコシを作ることができないのです。 さらに、家庭の麺にあって、達人の麺にないものが、麺にまぶされた「油」です。達人の麺と家庭の麺をソースにつけてから水で洗ってみると、達人の麺はソース色になっているのに対して、家庭の麺では油がバリアーとなってソースのしみ込みを邪魔していました。 しかし、家庭の麺は日持ちがおよそ2週間と、達人の麺の2〜3日に比べて長く、またソースがしみ込まなくても味がするように、麺の表面にからみやすい粉ソースやとろみソースをセットにしています。 そもそも、油をまぶしているのは、麺がくっつかずほぐれやすいように工夫したからです。また、麺が細いのも、家庭の弱い火力でも中まで火が通ってすぐにおいしく食べられるからです。家庭の麺がプロとは違うのは、家庭でだれでも失敗なく調理できるよう配慮したためなのです。 |
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「ミッション・麺ポッシブル」達人が東京に集合し、家庭の麺でコシと味のしみ込みを実現する調理法の研究に共同で取り組みました。 味をしみ込ませるにはお湯で油を取り除く必要がありますが、デンプンが溶け出して焦げる欠点があります。そこで達人たちは調理に水ではなくお湯に麺にかけることで、油を取り除くことに成功しました。 次にコシを出す方法に挑みました。そこで麺の表面をよく焼くことで、逆の水分傾斜を作ろうと考えました。しかし、焼くとフライパンに焦げ付いてしまいます。そこで、常識をひっくり返す驚きの方法を考え出した結果、麺を焼いてコシを作り出すことに成功したのです。 常識逆転!ガッテン流焼きそばの作り方
※温度の低下を防ぐため、できるだけ1人分ずつ調理してください。 レシピ通りの作り方に比べると、ガッテン流の作り方では麺にコシがあり、同じソースを使ってもしっかり味がしみ込むようになったのです。 しかし、上のガッテン流では麺を玉ごと焼いているため、焼けてしっかりした歯ごたえの麺と、蒸してモッチリした歯ごたえの麺という2種類が混ざった、ムラのある状態になっていました。 この焼きそばをおいしく感じた理由は、一口で食べる本数にありました。達人の麺を食べるとき、一口の本数は6本でした。一方、家庭用の細い麺を使ったガッテン流では16本でした。 堅さの異なる細い麺を一度に食べることで、太い麺のようなコシのある食感を生み出していたのです。 |
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実習コーナー揚煮麺(あげにめん)(1人分)
チャーメン(1人分)
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知っとくメモ ガッテン流焼きそばの作り方ガッテン流焼きそば(1人分)
※ソースは液体であればしみ込みますので、粉ソースなどは少量の水に溶いてお使いください。とろみソースは、水または少量のウスターソース、しょうゆなどを加えてとろみを抑えた方がしみ込みます。 |
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