近年のIT(※1)の発達により、自動車にはカーナビなど様々なIT機器が装着されつつあります。カーナビやVICS(※2)ユニットの累計出荷台数、ETC(※3)車載器のセットアップ台数などは大幅に増加しており、このような動きは、自動車を単なる「移動手段」としてではなく、「動く情報空間」として捉えた新たなカーライフが進展しつつあることを示しています。
この新たなカーライフを育む有効なサービスの一つが、ETCで使われている路車間の無線通信(DSRC(※4))技術を使って実現する多様なITSサービスです。このITSサービスの実現に向けた官民の取り組みが、最近、急速に立ち上がりつつあります。 国土交通省では、多様なITSサービスを処理するITSサービス基盤の早期構築を目指し、公開実験を実施しました。
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ETCで用いられている路車間通信(狭域専用通信:DSRC)技術を活用することにより、道路利用者は従来のETCサービスに加え、リクエストに応じた詳細な走行サポート情報(渋滞情報、車線規制情報、休憩施設情報等)の入手、外部インターネット接続による様々な情報入手、音楽データ配信、Eメール、電子決済等の様々なITSサービスを受けることが可能となります。 |
「ITSサービスを提供するための共通基盤(以下、ITSサービス基盤)」とは、一つの共通無線機で道路利用者へ多様な情報サービスを効率よく実現するために官民で共有すべき技術であり、具体的には、無線通信の処理手順(プロトコル)です。 |
道の駅や高速道路のSA等において、ETCのアンテナと1つの車載器で多様な情報サービスをオンデマンド方式により効率的に受けることができます。 |
●公共サービス |
●民間サービス |
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(1)公開実験の狙い 先導的に構築したITSサービス基盤の実効性を確認するとともに、動画像を含めた様々な走行サポート情報(渋滞情報や渋滞予測情報、雪面路面の動画、サービスエリアの混雑情報や予約サービスなど)の提供サービスを一般の道路利用者の方々に体験して頂き、アンケートを通して提供サービスに対する意見を伺いました。 (2)アンケートの結果概要
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以下実験報告 ●アンケート回答者の概要 |
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●アンケート結果
(1)ITSサービスの特徴に関するアンケート結果 「車中での情報入手」、「個々のリクエストに応じた情報の入手」、「雪面路面などの動画像での入手」、「インターネット回線への接続」の4つの事項について、下図のように概ね8割の方々から魅力があるとの回答が得られた。特に、雪面路面などを動画像で入手できることについては87%と高く、今後の道路情報の提供においても、動画像などによるわかりやすい情報提供を検討する必要があると考えられる。 |
(2)利用したい情報内容・・・回答者全体のニーズ (有効回答数:310名) 利用したいとの回答が多かったものは、上から順に「道路交通情報」(96%)、「天候情報」(87%)、「緊急情報」(86%)、「休憩施設情報」(85%)、「観光情報」(80%)でした。 |
(3)利用したい情報内容・・・高齢者(60歳以上)のニーズ
(有効回答数:24)
高齢者では全体の傾向と比べて、「医療機関情報」や「宿泊・レストラン予約」などが相対的に重視されました。 ■「医療機関情報」の利用を希望した人の割合
→全体:69%、高齢者83% |
(4)男性と女性の傾向の違い (有効回答数 男性:241名、女性:64名)
女性が男性と比べて相対的に重視した情報内容は、「医療機関情報」や「受信エリア外のTV放送受信」、「自動車メンテナンス情報」などでした。一方、「メールの送受信」や「IP電話」、「ライブ映像」は、男性に比べて相対的に利用したい人の割合が低くなっています。 |
(5)利用したい情報内容・・・カーナビ所有者のニーズ (有効回答数:161名) 利用したいとの回答が多かったものは、全体の傾向と同じく「道路交通情報」、「休憩施設情報」、「天候情報」、「緊急情報」が上位を占めました。この中で「カーナビデータの更新」に利用したい人の割合は6%高くなっています。
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●ITSサービス基盤の実効性の確認結果
今回の実験により、無線通信やネットワーク接続、アプリケーションの確実な動作が確認できたと共に、複数メーカ製造の車載器・路側機間による確実な通信、つまり相互接続性の確認により、ITSサービス基盤の実効性を検証することができた。 |
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