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鯨肉持ち出し疑惑、「証拠品」示す グリーンピース

2008年05月15日12時08分

 日本の調査捕鯨で捕られた鯨肉を乗組員が無断で持ち出している疑惑について、環境NGO「グリーンピース(GP)・ジャパン」が15日、東京都内で記者会見した。船から配送されたという段ボール箱に入った塩漬けの肉を「証拠品」として示し、疑惑解明や調査捕鯨の見直しを訴えた。同日午後、乗組員ら12人を業務上横領の疑いで東京地検に告発する。

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会見で乗組員が無断で持ち出したとされる鯨肉を提示するグリーンピースのメンバー=15日午前、東京都千代田区、福留庸友撮影

 GPによると、箱に入っていた鯨肉はベーコンの原料になるウネスと呼ばれる部分で23.5キロ。市価で11万〜35万円相当という。星川淳事務局長は会見で、「調査捕鯨には税金も使われている。日本の信頼にかかわる問題で、政府は徹底して真相解明する必要がある」と話した。また、水産庁に対し、調査捕鯨を実施している財団法人日本鯨類研究所などの調査捕鯨許可を停止するよう求める文書を送ったという。

 GPが確認した箱は、4月15日に東京に帰港した船から降ろされた荷物の一部。GPは調査捕鯨船・日新丸の元乗組員から「乗組員が鯨肉を私的に持ち帰っている」との情報提供を受けて調査しており、同日、船から出された荷物を積んだ運送会社のトラックを追跡。配送所などで「塩物」などと書かれた伝票と乗組員の名簿を照合し、12人の名前を47箱で確認。うち1箱を無断で持ち帰ったという。

 一方、日本鯨類研究所は、乗組員に赤身とウネスを数キロずつ土産として配ることは認めているが、「乗組員が何十キロものウネスを持ち出すことはまず無理だ」としている。

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