関西で最大級の開発プロジェクトであるJR大阪駅北側の梅田貨物駅再開発「梅田北ヤード」で、平成23年にオープン予定の先行開発区域(7ヘクタール)の開発で見込める経済波及効果が約3900億円に及ぶことが、三菱地所やオリックス不動産など事業を担う12社連合の調べでわかった。北ヤード開発の経済効果が数字で明らかになったのは初めて。街開き以降も毎年約2100億円の消費効果などが見込め、当初3年間で1兆円の効果が期待できるという。
調査は12社連合の依頼で、三菱UFJリサーチ&コンサルティング(東京都港区)が産業連関分析の手法で試算した。
それによると、土地や建設などの初期投資による経済効果は3886億円。街開き以後の消費需要などによる効果は1年当たり2143億円。これにより、開業から26年までの3年間で、経済効果は合計1兆円を超える。
また、初期投資時に約3万8000人、開業後に1年当たり約2万2000人の新たな雇用も創出する見込み。建物などの固定資産税や就業者の住民税などで、大阪市など地元自治体にも先行区域だけで年間60億円以上の税収増が見込めるという。
先行開発区域は、2月に国の「都市再生特別地区」として認可され、着工へ向けた取り組みがスタートしているが、19年度中に策定予定だった残る2期部分(17ヘクタール)の開発ビジョンの策定が先送りになるなど、全体的に遅れ気味。これまで経済効果が不明だったため、必要な鉄道新駅など交通インフラへの投資決定を大阪市などが躊躇する一因になっていた。
今回、一定の経済効果を明らかにしたことで、北ヤードの全体計画推進機運を高めたい考えだ。
(2008/05/09) |