前女王アニカ・ソレンスタムが今シーズン限りで引退を発表
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2008年5月14日(水)
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アニカ・ソレンスタムが、サイベース・クラシックが行われるニュージャージー州で、今シーズンを最後に、現役を引退することを発表しました。 すでにゴルフ殿堂入りを果たしている37歳のアニカは、なぜ今なのか疑問が残る中、今回の決断には固い意志がうかがえました。
アニカ・ソレンスタム 「慎重に考慮した結果、今シーズンを最後に競技ゴルフから引退することを決意しました。 ゴルフを心から愛する私にとって、とても苦しい決断でした。でも正しい判断だと信じています。 引退を決意したのは、自分の人生において優先すべきこと、そして叶えたい夢がたくさんあるからです。2009年1月に結婚し、マイクと私は家族を作るつもりですし、ビジネスでは引き続きアニカ・ブランドも確立に力を入れます。その中には私のアカデミー、私の基金、ゴルフコースデザイン・プロジェクト、企業との提携、大会ホストを務めること、ファッションブランドなどが含まれます。 自分がこれまで達成してきたことをとても誇りに思います。思い描いていたことよりも多くのことを達成できたと感じます。これまで精一杯楽しんできました。 怪我を克服しカムバックを果たし、健康体な体で素晴らしいシーズンのスタートとなりましたが、自分の意思で引退します。とは言ってもまだ試合は残っています。あと7ヶ月ありますが、その間たくさんの試合で優勝すること、そしてメジャーを制することがゴールです。自分としてはこれまで予想を超える活躍が出来たこと自体が素晴らしい達成であり、キャシー・ウィットワースの最多優勝記録(88勝)を更新することはモチベーションにはなりません。 私はゴルフ界から完全に立ち去るわけではありません。ロープの中で過ごすことはなくなるかもしれませんが、引退後は違った形でゴルフ界に貢献したいと思います。」
アニカは、キャシー・ウィットワースの最多優勝記録を塗り替える勢いでしたが、記者会見の中で答えていた通り、14シーズンとわずかで引退するアニカの通算優勝回数は、歴代3位となる見込みが強くなっています。
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LPGAツアーのコッミショナーからのコメント
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2008年5月14日(水)
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記者 「アニカの引退宣言のタイミングに、さぞかし驚かれたのではないですか?」
キャロリン・ビベンズ 「確かに、アニカがこの時期に引退を表明することを選んだ点には驚きました。一方で、私はアニカから、事前にいんたいの理由を聞いていました。私に言えるのは、引退を決断したアニカはとても穏やかであること。そしてアニカはこれまでの人生がそうであったように、トップのまま、自分の意思でLPGAツアーを去るということです。」
記者 「今シーズンを最後に、LPGAツアーで最も有名な選手がいなくなるわけですが、そうなるとツアーが受けるインパクトは大きいですよね?」
キャロリン・ビベンズ 「おっしゃる通りです。アニカはゴルフ界に大きなインパクトを与えました。ファーストネームだけで知られるゴルファーは世界にそういませんからね。アニカといえば、誰のことかみんなわかります。」
記者 「アニカは14年ちょっとLPGAツアーに参戦し、途中の5年間で43勝をあげる活躍を見せました。そんな素晴らしい達成を振り返っていかがですか?」
キャロリン・ビベンズ 「アニカは次々とツアーの記録を塗り替え、多くの人に感銘を与え、アニカのおかげでたくさんの子供達がゴルフを始めました。アニカが与えるそんなインスピレーションが、やがてアニカ・アカデミーの誕生や、メイク・ア・ウィッシュ基金の設立につながりました。引退前に、すでにジュニアゴルフをはじめ、ゴルフ界の発展に力を注いでいたことになります。」
記者 「残りのシーズンは、引退を宣言したアニカとロレーナの熾烈な戦いが予想されますが、ツアーとしても嬉しいことですよね?」
キャロリン・ビベンズ 「私達ががっかりさせることがないのは間違いありません。ロレーナとアニカ、アニカは当然ナンバー1の返り咲きを狙っていますし、ロレーナは心地よいトップの座を譲り渡すつもりはないでしょう。同時に、やはり数々の賞を受賞しているポーラ・クリーマーもいます。ポーラも二人の争いに加わりたいはずですから、素晴らしい展開になるはずです。」
アニカ・ソレンスタムは、自らのウェブサイトで今週の「サイベース・クラシック」の後出場する2試合を発表しました。 まず、5月29日から始まるアニカがホストを務める「ギン・トリビュート」」、そして翌週、メジャーの「全米女子プロゴルフ選手権」。アニカは「全米女子プロゴルフ選手権」で過去3回優勝しており、引退に花を添えるためにも4勝目を飾りたいことでしょう。
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アニカの衝撃の引退宣言に対する女子選手の反応
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2008年5月14日(水)
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キャリアで最高のゴルフをしているロレーナ・オチョアと引退に花を添えたいアニカ、目が離せないシーズンとなりましたが、今の時点ではロレーナのシーズン5勝に対し、アニカが3勝とロレーナがリード。ロレーナは今朝のニュースに驚いたと言っています。
ロレーナ・オチョア 「私をはじめ、みんなが驚いたと思います。複雑な心境ですね。すぐには質問に答えられないくらい衝撃的でしたが、それが彼女の意思なら尊重したいと思います。」
記者 「アニカの引退発表は、あなたのシーズンにどう影響するでしょうか?」
ロレーナ・オチョア 「そうですねぇ、私は今まで通りのプレーをするつもりです。いいプレーを続け、もっと優勝を重ねたいですが、それはアニカも同じだと思うので、楽しめるシーズンになると思います。 アニカと一緒のプレーをいつも光栄に思っています。先ほども言いましたが、複雑な心境です。アニカがいなくなるのは寂しいです。彼女がゴルフ界、そして選手に与えたインパクトは大きいですからね。」
記者 「あなたがもっと強くなりたいと思った理由は、アニカ・ソレンスタムの存在が大きかったのではないですか?」
ロレーナ・オチョア 「とても大きいですね。うまく表現できませんが、アニカにとってのモチベーションでもあり、もっといいショットを打って、もっと優勝したいと思うようになりました。アニカからたくさんのことを学びましたが、今もコース内外で彼女に感銘を受けています。」
ロレーナは今週末アニカと一緒に回るかもしれませんが、アニカと予選ラウンドを一緒に回るナタリー・ガルビスとクリスティ・カーです。
クリスティ・カー 「プロアマのパートナーと昼食をとろうと歩いていたら、ある記者に“アニカの引退についてコメントをください”と言われ、唖然としてしまいました。アニカは今年最初の8試合で3勝、信じられない活躍です。でも、スポーツ選手に引退宣言撤回はよくあることですから、まだわかりませんよ。」
パット・ハースト 「ツアープロはみんな闘争心が強いですから、調子がいいときに引退するのはツライと思います。それができるのは、すごく強い人間だけです。」
記者 「現役を引退するのは、どれくらい辛いことだと思いますか?」
ヘレン・アルフレッドソン 「もちろんゴルフは私達の仕事ですが、子供の頃からゴルフをして生きてきましたから、引退が意味するものは相当大きいはずです。ツアーを離れるだけでなく、出会った人達との別れもありますし、複雑でしょうね。いずれにせよ、他にやりたいことがあるなら仕方ないですね。」
ステーシー・プラマナスード 「輝かしいキャリアを築いたアニカの女子ゴルフ界に対する貢献は計り知れません。アニカの人生の新しいチャプターの成功を祈ると同時に、これまでしてくれたことに感謝しています。」
アニカがキャリアを通じて女子ゴルフ界に貢献してくれたことに対し、選手は皆敬意を表しています。アニカは、残りのシーズン、メジャーを含むたくさんの試合に出場しますが、ツアー引退試合は、フロリダが舞台の「ADT選手権」、2008年最後のイベントは、タイトル防衛戦となる欧州女子ツアーの「ドバイ・レディース・マスターズ」です。
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PGAツアー選手のコメント
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2008年5月14日(水)
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LPGAツアーと女子ゴルフ界の発展に貢献したアニカ・ソレンスタムの引退発表は、PGAツアーの大会が行われるジョージア州ダルースでも話題を呼んでいます。
ディーン・ウィルソン 「今年すでに3勝して、復活をアピールしているアニカが引退を発表したなんてショックです。もちろんアニカは婚約する前から、“いつか引退して家庭を持ちたい”と言っていましたよね。転戦続きの生活は家族に様々な犠牲を強いるものですから、アニカがゴルフ以外の人生を大事にしたいと思う気持ちはよくわかります。」
チャールズ・ハウエル 「アニカは女子で史上最強の選手だと思います。私も信じられないほど素晴らしいキャリアを築いてきたアニカのファンですから、もっとアニカのプレーが見たいと思う気持ちはあります。“タビストックカップ”でアニカと対戦しましたが、アニカのプレーに感心してしまいました。ファンはがっかりしていると思いますが、アニカは全てのことを成し遂げてきたので悔いはないと思いますし、間違いなく最強の女子プレーヤーですね。」
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引退宣言直後のアニカ・ソレンスタムのインタビュー
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2008年5月14日(水)
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記者 「今シーズンを最後に引退を決意したのは、どんな理由からだったのでしょうか?」
アニカ・ソレンスタム 「相当前から考えていたのですが、そう思う気持ちがだんだん強くなってきたのです。コース上でたくさんのことを達成してきたので、ゴルフ以外のことを優先させるためには、今引退するべきだと思ったのです。」
記者 「いつ決断したのですか?」
アニカ・ソレンスタム 「一晩悩んで決めたわけでもないし、いつといった具体的な日があったわけでもありません。最近頻繁に考えたいたことでした。でも引退宣言した今、あと7ヶ月ゴルフに専念できると思うと嬉しいですし、これからもメジャーを含むたくさんの試合で勝ちたいです。 トップであり続けるのは難しいことですし、そのために毎日努力を続けるのも楽なことではありません。あともうちょっと頑張った後、私は燃え尽きるでしょう。」
記者 「アニカは必ずツアーが恋しくなるという人もいますが、カムバックの可能性はあるのでしょうか?」
アニカ・ソレンスタム 「それはなんとも言えません。今感じるのは、これが最後の7ヶ月になるということです。結婚し、家庭を築きたいですし、自分の人生には満足しています。たくさんのことを達成できたツアーでの生活は忘れません。ただプレーするだけでなく、常に100%の力を出してきましたからね。」
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