今年のゴールデンウイークの前半は熊本・岡山の展覧会に行き、後半は日本の祭りで地方に行くという充実したスケジュールでした。例年ゴールデンウイークはエジプトに行っていましたが、今年はそれがかなわなかったのです。そこで、お祭り３連発について書きます。

初日は「下関海峡まつり」、２日目は高松で「世界麺フェスタ２００８inさぬき」の講演とシンポジウム出席、３日目は岡山の「真鍋島の走り神輿」、４日目は福井県武生の「神と紙の郷の春まつり」と、途中に講演をはさんで大忙しです。６５才という私の年令では、若干オーバーワークではないかと思いますが、望まれているうちが華と考え楽しみました。この影に何千人という方々の努力があると思いますと、ぜいたくやわがままは言っていられませんから。

そもそもこの日本の祭り行脚は、ダイドードリンコの、青森のねぶたの市民ねぶた支援が始まりでした。その後、ダイドードリンコの高松社長が、青森のねぶたに限らず、日本全国の祭りをアーカイブ記録し、地方局で放送し、支援しようということになったのです。今年で５年目です。現在２７の県で、毎年１つずつ取り上げています。将来的に、ユネスコの無形文化遺産に入れようと考えています。

ともかく祭りに行きますと、祭り人は皆熱いのです。そして自分のところのが一番と思っていますし、それに命をかけています。一本気なんです。普段ボーとしているオヤジさんが、人がちがったようにがんばる姿を見て、女性や子供が見直すそうです。なかには、この祭りを起点に１年が動いているところがあります。というよりは、ほとんどがそうです。盆も正月もありません。また、序列がはっきりしているにもかかわらず、若者の反発はありません。

しかし、これらの祭りにも悩みはあります、後継者不足で、高齢化してきています。観光化し大々的になってきて、それが祭りと人との関係をこわしているものもあります。お金がかかりすぎて、地元で支えきれないものもあります。職人がいなくなって、山車や神輿を直せないところもあります。しかし、今日も祭りは行なわれています。年間６０万件の祭りが日本では行なわれているのです。日本を支えているのは、祭りのエネルギーなんです。