道路を問う
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【国際】ミャンマー新憲法案 国民投票終了 『結果決めるのは軍政』 賛成強要あきらめも2008年5月11日 朝刊 【バンコク=林浩樹】「賛成、反対のどちらに投じても結果を決めるのは軍事政権」。ミャンマー新憲法案をめぐり、十日に実施された国民投票は、国民にとって一九九〇年総選挙以来の投票行為となった。 現地情報によると、軍政による長年の圧政が骨身に染みる国民には、久しぶりに投票用紙を手にした高揚感はなく、あきらめや不信が渦巻いた。 最大都市ヤンゴンの中心部から北に車で約一時間のレグ地区。被災地のヤンゴン管区で投票が実施された五地区のうちの一つだ。 投票は学校や市場の中の公共の建物などで実施され、周囲を警官や公安関係者が警戒する。設置されたスピーカーから投票の呼び掛けが大音量で流れる。 現地時間の午前六時から投票が始まると、家族連れなどが三々五々訪れ、投票を淡々と済ませた。投票を終えた男性は「本当は投票に来たくなかった。でも軍政が行けと…」と言葉を濁した。 新憲法案の圧倒的承認に面目をかける軍政は、なりふり構わず国民に賛成票を投じるよう強要してきた。 海外に拠点を置くミャンマーの反軍政系メディアは「営業停止にすると脅された」(ヤンゴンの理髪店主)「夫が解雇を迫られた」(公務員の妻)と伝える。期日前投票では、あらかじめ賛成に印が付いた用紙を渡されたとの証言もある。 「反対票を入れた人も多いはず。でも票の集計は軍政がやるのだから、結果は初めから分かっている」。投票を終えた別の男性は肩をすくめた。 国営テレビは一日中、各地の投票所で役人が木や段ボール状の投票箱をひっくり返し、中が空であることを示してから、投票を開始する様子を繰り返し放送した。 断水が続くヤンゴンの飲料水は五倍に高騰。それでも軍政による救援活動は進まない。「軍が援助物資を横領し、販売している」。そんなうわさが被災地を駆けめぐっている。
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