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二輪の駐車違反、過去最高52万1千台 駐輪場不足響く

2008年05月10日

 07年の二輪車の駐車違反は、全国で過去最多の延べ約52万1千件で、05年の約5倍に急増した。二輪車用駐輪場が乏しいなか、改正道路交通法で民間駐車監視員制度が導入され、取り締まりが強化されたためという。都心部では、二輪車を手放す人も現れ、業界は危機感を募らせている。

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高速道路の高架下にある二輪用の駐車場=東京都港区六本木3丁目、杉本康弘撮影

 警察庁によると、昨年の都道府県別の二輪車の駐車違反件数は、(1)東京約25万1千(48.2%)(2)大阪約10万6千(20.2%)(3)神奈川約6万1千(11.6%)(4)京都約3万7千(7%)(5)千葉約1万8千(3.4%)の順。この5都府県で9割を占めた。

 東北や北陸、中国・四国などの計28県は0〜6件。都心部は地方より二輪車台数、取り締まりの要望とも多いため、格差が著しいという。排気量50cc以下の原動機付き自転車は駐輪場の整備が比較的進んでいるため、違反車の多くは50cc超とみられる。

 改正道路交通法は06年6月に施行された。それ以前は駐車違反をした運転者のみが責任を問われ、二輪車の違反者は05年で約11万件だった。施行後は車両の所有者にも責任が及び、06年6〜12月の7カ月だけで違反件数は約23万4千件にはね上がった。民間駐車監視員は07年度で全国310署の計1766人。警視庁が4月に17区52署から23区77署に拡大するなど、都心部では民間監視員が受け持つエリアが拡大している。

 一方、06年11月には改正駐車場法も施行され、二輪車の駐車場への駐車が義務づけられた。これまで自転車と原付きは自転車法で、乗用車は駐車場法でそれぞれ義務づけられていたが、二輪車は法のはざまで見過ごされていた。

 二輪車新聞社によると、東京都内の二輪車の保有台数は約128万台。「民間駐車場は『バイクお断り』がほとんど。規制が厳しい駅周辺に止められず、都心ではオートバイを手放す人も多い」。売り上げも落ちており、都市部の若者らに人気を呼んだ250ccスクーターの販売台数は、05年の約6万1千台をピークに、06年が前年比約1割減、07年が同約2割減となったという。

 東京都は二輪車用駐車場を増やすため、二輪車メーカーや駐車場事業の業界団体、警視庁が参加した検討会を立ち上げ、08年度末までに行動計画を定める。07年度からは駐車場を設ける際の助成制度の対象を区部から都内全域に広げ、都や市町村などが1台分につき最大20万円を助成してきた。

 横浜市や川崎市などは条例を改正し、大型商業施設などを新築・増改築する際に、二輪車駐車スペースの設置を義務づけている。(野上英文)

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