注目の映画『南京』、中国で上映もほとんど話題にならず |
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AOL(アメリカ・オンライン)のテッド・レオンシス元会長が200万ドルの私財を投じて製作した映画『南京』が、7月上旬中国で公開された。弊誌・月刊『コロンブス』4月号でも取り上げたが、この映画は、中国人系アメリカ人作家であるアイリス・チャン氏の著作『レイプ・オブ・南京』を下敷きにしたドキュメンタリー映画で、南京大虐殺の真実に迫っているとされる。ただし、劇中の日本人兵が徹底的に悪役として描かれており、一部からは「典型的な反日映画」として批判されていた。今年は南京事件70周年ということもあり、この手の映画は中国や米国で多数製作され、日中両国にとってデリケートな “南京問題”をさらにややこしくする不安材料になっていた。
ところが、フタを空けてみると中国ではほとんど話題にのぼらず、はやくも上映中止に踏み切った劇場も相次いでいるという。これに反して、日本の玩具を映画化したハリウッドの超大作『トランスフォーマー』は、上映5日間で1億元(約16億円)の大ヒットを記録した。
以上のことも含めて、中国の対日感情が顕著に好転しはじめている。今年5月、日本の民間団体「言論NPO」と北京大学の調査によれば、対日印象を「良い」「比較的良い」とした回答は計24.4%に上り、昨年の14.5%から急上昇しているという。今年は日中国交正常化35周年ということもあり、日中双方でさまざまなイベントが開催されているが、こうしたことも奏効しているようだ。
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