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「ニュースのたね」について
オーマイニュース(OhmyNews)の掲載記事のうち、「ニュースのたね」ページに掲載されている記事は、オーマイニュースによる編集作業を経ていない、市民記者から投稿されたままの記事です。その点をご理解のうえ、お読みください。 「元少年に死刑判決」報道で見かけなかった話この週刊誌がすごい?渡辺 亮(2008-05-08 22:08)
去る4月22日、広島高裁で「光市母子殺害事件」差し戻し審の判決が言い渡された。最高裁による差し戻しからの流れに沿った、1999年の犯行当時未成年だった元少年・福田孝行被告(27)の死刑判決であった。
オーマイニュース(日本版)では、この判決は既存の特集「死刑の是非を考える」の中で取り上げられ、少なからぬ方が記事を書かれたほか、意見の募集も(判決前後の約1日間ではあったが)行われた。コメント欄にも多くの意見が寄せられていた。 私が見た限り、一部の報道機関はこの機会にも死刑廃止論を展開した。来年導入予定の「裁判員制度」にも絡めて「このまま死刑制度を維持すれば、あなたが死刑を言い渡すことにもなり得る」と、不安感をあおってでも日本から死刑を無くそうという論も見受けられた。 また、少年事件での死刑判決としては過去に永山則夫の例(犯行は1968-69年、死刑確定は90年、執行は97年)が比較的知られているが、それ以降に死刑が確定したのがわずか1例で、いずれも4人を殺害したとされたことなどが伝えられていた。 ◇ こうした報道では見かけなかった話が、「週刊新潮」5月1・8日号(4/24発売)に載っていた。いわく、「本件の他に係属中の裁判で、1、2審において死刑が求刑された少年事件は2件」とのことで、それぞれについて簡単な説明が付けられている。 ひとつは、3府県で計4人が殺害された1994年の「連続リンチ殺人事件」。 もうひとつが、2002年1月に大分県山香町(当時、現在は杵築市)で起きた夫婦殺傷事件と、その直前にあたる2001年12月に大阪・曾根崎で起きた女性店員殺害事件(の2件)である。 一昨年の話題の書籍 オーマイニュース(日本版)が発足する直前の2006年6月、『世田谷一家殺人事件-侵入者たちの告白』という書籍が出版されて、それなりに話題を集めたのではないかと思う。私は購入して読んだ。 同書の本編は14章から成るが、特に「第5章 曾根崎風俗嬢殺し」と「第6章 狙われた身元引受人」は、それぞれ曾根崎と山香町の事件に関する話であった。東京・大阪・大分あたりの土地勘が無い方には内容が分かりづらかったかもしれない。 山香町の事件では、留学生の身元引受人となっていた会社社長(当時73)がその留学生グループ(中国人4人;うち1人が当時19歳、韓国人1人)の襲撃を受けて刺殺され、夫人も重傷を負っている。 曾根崎事件の被害者は1人、すなわち殺害されたのは合わせて2人ということになる。 ◇ 光市事件で殺害された被害者も(「1.5人」などと言った人もいたようだが)母子2人。「元少年に死刑判決」で最も影響を受けるのは、差し当たって「裁判員に選ばれるかもしれない日本国民」ではなく、この元留学生であろう。 一方、日本国内における外国人留学生の総数は、私が学生であった90年代には5万人前後で推移していたが、2001年当時では約8万人、ここ数年は12万人前後に落ち着いている。これだけ急速に増えて、その質が変わらないということは考えにくい。 平成19年度外国人留学生在籍状況調査結果(独立行政法人日本学生支援機構) http://www.jasso.go.jp/statistics/intl_student/data07.html つい先日も、この中から数千人が長野で日本人を威圧し、一部は暴行を加えたという。 被害者遺族の本村洋さんが語った「加害者も被害者も生まない国にするには……」といった声は、堂々と無かったことにされてしまうのではないか。 |
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