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二輪の駐車違反急増、過去最多 規制強化と駐輪場不足

2008年05月07日

 昨年1年間の二輪車の駐車違反が、全国で計約52万1千件にのぼり、過去最多になった。オートバイの駐輪場が乏しいなか、改正道路交通法で民間駐車監視員制度が導入され、取り締まりが強化されたためだ。都心部ではオートバイを手放す人も現れ、二輪業界は危機感を募らせている。

 警察庁によると、07年の都道府県別の二輪車の駐車違反件数は、(1)東京約25万1千(2)大阪約10万6千(3)神奈川約6万1千(4)京都約3万7千(5)千葉約1万8千の順に多く、この5都府県で9割を占めた。

 東北や北陸、中国、四国、九州などの28県は0〜6件。都心部は地方より二輪車台数、取り締まりの要望とも多く、件数の差が著しいという。排気量50cc以下の原動機付き自転車は駐輪場の整備が比較的進んでおり、違反の多くは50cc超のオートバイとみられる。

 改正道路交通法は06年6月に施行された。それ以前は駐車違反をした運転者のみが責任を問われ、二輪車の違反は05年で約11万件だった。施行後は車両の所有者にも責任が及び、06年6〜12月だけで約23万4千件にはね上がり、07年は52万件を超えた。民間駐車監視員は07年度で全国310署の計1766人。都市部では民間駐車監視員が受け持つエリアが広がっており、警視庁は4月に17区52署から23区77署に拡大した。

 06年11月には改正駐車場法も施行され、オートバイの駐車場への駐車が義務づけられ、路上放置が自動車並みに厳しく取り締まられるようになった。それまで、自転車と原付きは自転車法で、乗用車は駐車場法で義務づけられていたが、オートバイは事実上見過ごされていた。

 大阪市は昨年7〜9月、オートバイの市内の違法駐車台数を調査。繁華街や住宅地など計112カ所で計約3600台を確認した。マナーの悪さもあるが、オートバイを止められる民間駐車場、公営駐輪場の数が足りない実態が浮かんだ。

 駐輪場不足と取り締まりの強化などでオートバイの売り上げも落ちている。二輪車新聞社(東京都)によると、特に都心部の若者らに人気を呼んだ250ccスクーターの販売台数は、05年の約6万1千台をピークに、06年が前年比約1割減、07年が同約2割減となった。「学生や通勤者が規制が厳しい駅周辺に止められなくなった」という。(野上英文)

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