千葉市の幕張メッセで開催中の「9条世界会議」で5日、「環境と平和をつなぐ」をテーマにシンポジウムが開かれた。エクアドル北部のコタカチ郡知事で、先住民族出身のアウキ・ティトゥアニャさん(43)が、自然や資源保護を基盤とした「持続的な発展」への取り組みを話した。
「住民参加の民主主義」を掲げるティトゥアニャさんは31歳のとき、同郡知事に就任。「私たちは、多国籍企業の鉱山開発や森林伐採におびやかされてきた。そのため環境問題や地域の開発についても住民と自治体が話し合って決めることにした」という。一人ひとりが声を上げることが「乱開発にブレーキをかける役目になった」と言い、「私たちの体験は、9条を広げて平和につなげることに似ています」。
シンポジウムには米国の「核時代平和財団」ディレクター、アリス・スレーターさん(70)らも参加し、原子力に頼らない「自然エネルギーへの転換」などを強調した。【明珍美紀】
〔都内版〕
毎日新聞 2008年5月6日 地方版