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談合、業者が認めたのに、町は「ない」 千葉・大網白里

2008年05月05日06時19分

 町が「談合はなかった」とした入札で、業者は談合したと認めていた――。千葉県大網白里町で06年、入札に絡む収賄容疑で職員が逮捕された事件があり、町は議会で「入札に談合はなかった」と説明していたが、当時の町の聴取に参加業者が談合を認めていたことが、町が作成していた事情聴取書で分かった。

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千葉県大網白里町財政課が作成した事情聴取書(一部修整しています)

 事件は、04年5月にあった同町発注の下水処理施設の維持管理業務の指名競争入札で、職員が業者選定などで便宜を図り、見返りに現金数十万円を受け取ったとして06年5月、収賄容疑で逮捕された。一審の千葉地裁で同年9月、懲役2年執行猶予4年、追徴金40万円を言い渡され、刑が確定した。

 町財政課は事件発覚後の同年6〜7月、贈賄側の業者を含む、入札参加業者に対して聞き取り調査を実施。同年11月の町議会で、当時の財政課長は、談合の有無について質問され、「事情聴取はしたが、談合はないものと確信している」などと答弁していた。

 ところが、町が作成した事情聴取書によると、参加業者の1人は、贈賄側の業者と入札前に「受注調整を行っていた事実があったか」と問われ、「ありました。(逮捕された)業者とは長いつきあいなので、頼まれて、分かりましたということで」と回答。職員が「談合を認めるということか」と確認すると、「そうですね」と応じていた。

 堀内慶三町長は「(聴取内容公表の)要請がなかった」とし、「執行者側としては、入札に談合があってはならないし、談合があって欲しくないという思いからの答弁だった」と話している。(赤井陽介)

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