体調を崩していた上野動物園(東京都台東区)のジャイアントパンダ、リンリン(雄、22歳7カ月)が30日未明に死んだ。死因は心不全。人間に例えると70~80歳の高齢といい、同園は治療に専念するため29日から展示を中止したばかりだった。国内では現在、計8頭のパンダが飼育されているが、いずれも中国から借り受けているもので、日本所有のパンダはいなくなった。
政府筋によると現在、中国政府に雄雌2頭の貸与を申し入れており、胡錦濤国家主席の来日を機に実現することが期待されている。
上野動物園によると、リンリンはシャッターを下ろした展示室内で療養していたが、30日朝にお気に入りの場所だったプールに座り込んだまま死んでいるのを出勤した職員が発見。監視カメラのビデオを再生したところ、午前2時ごろ息を引き取ったことが分かった。
今年初めから活動が鈍く、最近は寝室から出てこない日もあり、今月22日と26日も展示が中止されていた。食べる量も元気なころの5分の1ほどになり、ビタミン剤などの投与を受けていた。
リンリンは85年9月、中国・北京動物園生まれ。92年11月、上野動物園で繁殖したジャイアントパンダ、ユウユウ(雄)との交換で上野動物園に来園した。おとなしく神経質な性格で、01~05年にメキシコへ計3回渡り、地元の動物園で繁殖が試みられたが、子宝には恵まれなかった。【市川明代、須山勉】
毎日新聞 2008年4月30日 10時59分(最終更新 4月30日 15時00分)