インターネットと名誉毀損

2ちゃんねる」などのアンダーグラウンドな掲示板に書き込まれた誹謗中傷名誉毀損に当たるとして取り上げられることがしばしばあるが、これらは民事事件上の名誉毀損として損害賠償が請求されたケースが大半であり、刑法上の名誉毀損罪に該当するとして起訴された例はほとんどない。

例えば、大阪高判2004年(平成16年)422日判例時報1169316頁は、業務上過失致死傷罪で裁判中の被告人が、遺族の言動に立腹し、その逆恨みでホームページ上に遺族の名誉を毀損する事実を書き込んだことについて、新たに名誉毀損罪で起訴され、懲役14ヶ月に処せられた事例がある。

また、政治活動家の外山恒一が、自らの裁判闘争をレポートする自らのホームページで相手方弁護士を中傷する記述をおこなったとして2002年(平成14年)に逮捕され、懲役8ヶ月の実刑判決を受けているが、やや特殊な事例ということもできる。