Windows PE 2.0 に Acronis True Image を組み込む
Last update : 2008.Jan.16
始めに
レスキューディスクで起動した時に、ハードウェアが正しく認識されない場合でも、Windows PE 2.0 起動 CD-R で
Windows を起動すると、それらを認識できることがあります。Windows
ではハードウェアを認識できるのに、レスキューディスクが起動できなかったり、ハードウェアが認識されなかった場合、この CD-R
を使えばデータ救出の可能性が高くなります。本説明書は、Bart PE 用 Acronis True Image Home
プラグインに手を加え、Windows PE 2.0で動作させる手順を解説しています。
Windows PE 2.0 を使うメリット
- 無料で使えます。
- マイクロソフト社が提供しています。
- Bart PE より簡単に作成できます。
- ベース OS が Windows Vista です。
- 作成時に OS インストール DISC が必要ありません。
- システムが起動してしまえば、DISC を取り除く事ができます。
- 標準で USB のホットプラグに対応しています。
免責と注意事項
- 弊社は、作成した CD-R で発生した問題の一切について、その責務を負いません。
- すべてのコンピュータで、同じ作業ができる保証はありません。
- 弊社は、作業中に発生した問題の一切について、その責務を負いません。
- 作成した起動 CD/DVD の動作保証はいたしません。
- 新しいハードウェアや独自で追加したハードウェアについては各自でドライバ等を追加する必要がある場合もあります。
-
画面ショットを使用し、ステップ・バイ・ステップで手順を案内していますが、画像のデザインが、ビルドによっては実際と異なる場合があります。
- ソフトウェアの著作権は、各ソフトウェア会社または制作者が保有しています。
Windows PE 2.0 が作成できる環境
- Windows XP SP2 (KB926044 適用済み)
- Windows Vista ファミリ(推奨)
- Acronis True Image 10 Home Build 4942
以降 または
Acronis True Image 11 Home Build 8064
以降(新ビルドで問題がある場合は、別途情報を掲載する予定です。)
※ 作業は 32bit 環境で、全て管理者権限で行います。 64bit 環境では動作保証致しません。
各自で用意するもの
- CD ライティングソフト(Windows 標準の CD ライティング機能では対応できません)
- CD-R 2枚
-
ダウンロードするもの(Windows Vista 以外のユーザー向け)
ファイルは必ずデスクトップへ保存してください。
Windows XP 32 bit 用
Windows XP 64 bit / Windows Server 2003 用
ファイルは必ずデスクトップへ保存してください。
作業手順
作成環境の構築
- Microsoft Windows AIK のファイルは、拡張子が IMG になっていますが、中身は ISO イメージ
なので、CD ライディングソフトで、CD-R にイメージとして書き込みます。書き込みが完了した CD-R の中身を見ると、下図のように見えます。
Windows PE 2.0 作成環境として Windows Vista を使用している場合には、手順5へ進んでください。
- コントロールパネルの「プログラムの追加と削除」を開き、「Microsoft .NET Framework Version
2.0」以上が一覧にあるか確認します(Windows Vista 環境は確認不要)。
一覧に無い場合は、Microsoft .NET Framework Version
2.0 がインストールされていないので、上記の URL から Microsoft .NET Framework Version
2.0 またはそれ以上をダウンロードしてインストールします(Windows Vista 環境は
インストール不要)。インストールが完了したら、必ず Windows Update を実施してください。
- MMC 3.0 をデフォルト設定でインストールします(Windows Vista
環境はインストール不要)。
- BDD2007 をデフォルトでインストールします(Windows Vista
環境はインストール不要)。
- Windows AIK の CD-R を CD-ROM ドライブに挿入します。
- 左側メニューにある「Windows AIK セットアップ」をクリックして、Windows AIK をインストールします。設定項目は全て初期設定のままにします。インストール先フォルダなどを変更してインストールすると、Acronis
True Image 組み込みキットが利用できなくなります。
- Windows AIK セットアップが完了したら、左側メニューにある、「MSXML
6.0 セットアップ」をクリックしてインストールします(Windows Vista
環境はインストール不要)。インストール開始直後に「A lower version of this product has
been detected on your system....」とメッセージが表示されますが、[Yes]をクリックしてください。
- MSXML 6.0 のインストールが完了したら、Windows AIK の CD-R を CD-ROM ドライブから取り出します。
- Acronis True Image のセットアッププログラムを実行します。
- まだ Acronis True Image をインストールしていない場合は、「完全」を選択します。すでに Acronis True Image
をインストールしていて、かつ「Bart PE プラグイン」をインストールしていない場合は、「変更」を選択すると、Bart PE プラグインのインストールを選択できるようにな
ります。
インストール先フォルダなどを変更してインストールすると、Acronis True
Image 組み込みキットが利用できなくなります。必ず Acronis True Image
標準のインストール場所へインストールしてください。
- Acronis True Image 組み込みキットの圧縮ファイル ATIH.ZIP を開きます。
圧縮ファイルの中に「for ATIH」フォルダが入っているので、フォルダごとデスクトップ
へ取り出します。
このとき、フォルダ名を変更しないでください。Acronis True
Image 組み込みキットが利用できなくなります。
- 上記で取り出した「for ATIH」フォルダを開きます。
- 「for ATIH」フォルダ内にある「init_pe.cmd」をダブルクリックで実行します。
***** 重要 *****
「Windows Script Host Shell Object ファイル C:\cputype.vbs を検出しました。」
とアンチウィルスが警告する事があります。その場合には、スクリプト全体を1回だけ実行を選択するか、一時的にアンチウィルスソフトの実行を無効にして
、「init_pe.cmd」を再実行してください。
「init_pe.cmd」を何回も実行すると、下図の様なエラーメッセージが表示されることがあります。
このメッセージは、Acronis True Image 組み込みキットが「C:\WinPE」フォルダの作成に失敗している場合に表示されます。メッセージに従い、「C:\WinPE」フォルダが存在していないか確認し、存在している場合には、リネームまたは移動させるか、削除してください。「C:\WinPE」が存在していないに上図のエラーが表示される場合には、システムを再起動してみてください。
- Windows PE を動作させる PC の CPU の種類を尋ねられるので選択します。
分からない場合は、「インテル製x86」を選択してください(弊社では AMD
環境では試作しておりませんので、予め御承知ください)。
- 処理が完了するまで少々時間がかかりますが、完了すると下図のように表示されます。
必ず画面をスクロールして、処理に失敗していなかい確認してください(ファイルのコピーなど行われていない等)。
処理に失敗している場合には、手順を見直してください。
[Enter]を押下するとウィンドウが閉じます。
BOOT.WIM の編集
ここからの作業は、レジストリの編集など非常に大切な作業を行います。間違えると Windows PE 2.0 が動作しなくなるだけではなく、母体となるホスト環境にも影響を与えることがあります。
- 「for ATIH」フォルダ内にある「Build_PE.cmd」をダブルクリックで実行します。
Windows Vista 環境では、必ず「Build_PE.cmd」を右ボタンクリック
し、「管理者として実行」を選択してください。
- 編集作業の第1段階として、自動的に BOOT.WIM のマウントを行います。
マウントに成功すると、画面のように「Successfully mounted image (RW)」と表示されて停止します。
エラーが表示されていない場合には、[Enter]を押下して次の行程に進みます。
エラーが表示されている場合には、[Ctrl]+[C]を押下して処理を中断させます。今までの行程に間違いがあると思われますので、作業工程を見直してください。
管理者権限での実行が行われていない場合には、下記のようなエラーが表示されます。
- 編集作業の第2段階として、True Image を Windows PE 2.0 で実行させる為に必要なファイルのコピーが行われます。
画面をスクロールして、エラーが表示されていないか確認してから[Enter]を押下して次の行程に進みます。
エラーが表示されている場合は、今までの行程に間違いがあると思われますので、[Ctrl]+[C]を押下して処理を中断させた後に作業工程を見直してください。
なお、作業行程をやり直す場合には、事前に BOOT.WIM のマウントを解除しておく必要があります。「for ATIH」フォルダ内にある「unmount.cmd」をダブルクリック(Vista
の場合は右ボタンクリックで「管理者として実行」)で実行します。
- 編集作業の第3段階として、レジストリの追加作業が行われます。
エラーが表示されていないか画面を確認して[Enter]を押下して次の行程に進みます。
エラーが表示されている場合、今までの行程で間違いがあると思われますので、作業工程を見直してください。なお、作業行程をやり直す場合には、事前に BOOT.WIM
のマウントを解除しておく必要があります。「for ATIH」フォルダ内にある「unmount.cmd」をダブルクリック(Vista
の場合は右ボタンクリックで「管理者として実行」)で実行します。
- 編集作業の第4段階として、BOOT.WIN のアンマウントが行われます。
エラーが表示されていないか画面を確認して[Enter]を押下します。
エラーが表示されている場合、今までの行程で間違いがあると思われますので、作業工程を見直してください。
- 編集作業の第5段階として、ISO イメージの生成が行われます。
エラーが表示されていないか画面を確認して[Enter]を押下します。
エラーが表示されている場合、今までの行程で間違いがあると思われますので、作業工程を見直してください。
- [Enter]を押下すると、「C:\WinPE」フォルダが自動的に開きます。
「C:\WinPE」フォルダ内に WINPE.ISO ファイルが生成されています。
このを WINPE.ISO ファイルを
CD ライティングソフトでイメージとして CD-R へ書き込みます。
極希に WINPE.ISO の生成に失敗することがあります、もしも「C:\WinPE」フォルダ内に WINPE.ISO
ファイルが生成されていない場合には、再度 Build_PE.cmd を実行(Vistaの場合は管理者として)してみてください。
- CD-R への書き込みが完了したら、True Image が組み込まれた Windows PE 起動ディスクの作成作業は完了です。
Windows PE 2.0の起動と True Image の利用
- システムを再起動し、Windows PE 2.0 CD-R で起動します。
- 起動が完了すると下記の画面のようにコマンドプロンプトが表示されます。
起動が完了したら、CD-R を取り除いてしまってもかまいません。
コマンドラインに「ati」と入力して、[Enter]を押下すると、True Image が起動します。
-
True Image が起動したら、バックアップまたは復元処理を行います。
※ Bart PE 用プラグインを流用している関係上、Windows PE 2.0 上の True Image
から、CD/DVD-R/RW/RAM ドライブは見えません。
ただし復元時には、バックアップファイル保存先ドライブとして参照する事ができます。
- True Image を終了させると、自動的に PC の電源が切断されます。
- Windows PE 2.0 起動 CD-R から True Image
の起動や動作を確認できたら、再びハードディスクから Windows を起動して、「for ATIH」フォルダ内にある「Cleanup_Toolkit.vbs」をダブルクリックで実行します。
このファイルを実行すると、Acronis True Image 組み込みキットが作成した作業情報等を削除します。
以上で、全作業は終了です。お疲れさまでした。
このような時には
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