愛する人に捧げる本当の優しさ。
泣いた。
いや…泣いてるが正しい。
とにかく泣いて泣いて泣きまくって。
それしかできなくて。いまはそれしかできなくって…。
僕はまーなと別れました。
今回、僕が決断したのは別れ。
愛するまーなとの決別。
愛しているから…愛しているからこそ……別れを選択しました。
僕のカラダはご存知の通り…女性化していてとても男の子には見えない。
だけど、、、どんなに頑張ったって……やっぱり心の中は男の子。
肉体変えたって、装い変えたって、言葉変えたって、仕草変えたって、僕は♂。
努力したよ。一生懸命に。
自分がやれること…全部全部やりきったって自信ある。
誰がなんといおうと、僕は自分ができる精一杯をしてきた。
だけど…人間そんなに単純じゃなくって。
心の中まで女の子に染まることはできませんでした。
この答えって実は結構前に出てたりする。
だけど…どこかで、もしかしたら。いつかきっと。って…自分をごまかしてきた。
まーなの幸せ=僕の幸せ。これは間違いのない僕の気持ち。
だからこそ。
だからこそ…別れを選択しました。
愛する人のために…別れることを選んだ。
まーなは、レズビアン。
もちろん、女の子しか愛せない。
だから…僕では幸せにできないって気がついた。
いや…もっとずっと前に気がついてた。
だけど、まーなと一緒にいたくて。
1分でも1秒でも長くそばにいたかったしいてほしかった。
けれども、、それって現実逃避なんだって自分を説得するのに苦労してた。
でも…
今回のまーなの彼女ができた宣言。
これは僕にとって現実を思い知るいいきっかけになった。
やっぱりって。
僕より普通の女性のほうがいいに決まってるよねって。
まーなの幸せは僕の幸せ。
だから…だから僕はまーなにはちゃんとした女性と愛し合ってほしいなって。
…辛いよ…本当に辛い。
今こうしてたって涙がボロボロ落ちちゃって情緒が不安定になっちゃう…だけど現実。
僕がいくら泣こうが喚こうが資格がない。
まーなと愛し合う資格が…こればかりはどうしようもできないんだもん。
せつないなんて生易しい気持ちじゃない…激情だよ…。
でも、、僕は現実を冷静に受け止めた。逃げたくなかった。
…本当は逃げたかったんだけど………同じことの繰り返しだって…そう思った。
僕が傷つくのはいい。
だけど、、これ以上、まーなを苦しめたくなかった。
彼女には笑っててほしいから。100%の笑顔でいてほしいから。
僕ではない女の子の誰かと幸せになってほしい。
僕から愛しいまーなに贈る最後の優しさ。
それが僕の愛を示せる究極の表現方法でした。
今回…その話を家族同士の集いの場で発表しました。
もちろん、、まーなはそんなことを知るよしもなくて……大泣きしちゃって大変だった…。
本当に辛かった。
だけど…この辛さを乗り越えなくては、本当の意味での幸せを掴むことはできないって思った。
目先の優しさ。上辺の優しさ。ではどうにもならないんだって……
まーなには本当の幸せを掴んでほしかったんだ。
愛してるからこその別れ。
今の僕にはその選択以外に方法が見当たらなくって。
酷い男かもしれない。
でも悪者になったって…最終的にまーなが幸せになってくれればそれでいい。
そう思った。
心の底からまーなを愛しているからこそ…
まーなが幸せになれるんだったら僕はいくらだって悪者になれる。
こないだまーなと待ち合わせして…会って…愛し合った。
どうしようかって迷ったんだけど…せめて…せめて…最後にもう一度だけ全身で彼女を感じたかった。
翌日の二人でのデート…楽しかった。
昔話しながら思い出深いデートコースを満喫した。
幸せすぎる時間…もう少しだけ…もう少しだけって……。
怖かった…最後の最後まで。
まーなを失うことの意味。本当に自分でわかってるのかって何度も自問自答しちゃってた。
実をいえば…このまんま復縁しちゃおうかなって気持ちに押し潰されそうだった…。
弱虫で臆病で情けなくて…どうしようもなく未熟な僕…。
だけど、、僕だって男の子のはしくれ。最後くらいきちんとけじめをつけようって思えた。
自分が一緒にいたいからといってまーなの幸せを犠牲にできない。
愛する人には幸せになってほしい。
この気持ちだけが僕を今回の決断へと導きました。
今はお互いに辛いけど…
いつかきっと違った形で笑いあえる日がくるって僕は信じてる。。。
お互いの両親の前で二人して謝罪した。
性転換からはじまって…結婚・離婚を経て…今に至ってる。
迷惑や心配をかけ続けてきたことに対する謝罪をあらためて二人でしました。
そして…僕は心の中で「言うな!言うな!!」って何度も何度も言ってたんだけど…
言ってしまった。精一杯おおきな声で。
「今日は、僕から最初に一言あるよ・・・」
「僕と彼女は今日を境にきっぱりと別れます!」
正直を言えば…一瞬だけ後悔した。
だけど、、、まーなの幸せだけを考えて必死で声をふりしぼってた。
お互いのパパママ、まーな、唖然とする中…僕は涙を抑えきれずポロポロって…。
だけど、僕は背筋を伸ばして…歯を食いしばって…顔をあげてた。
沈黙が数分あったあと…まーなが泣き崩れて…
「意味わかんない」
って。
思わせぶりなことをしたかったんじゃない。
あくまで散々迷惑をかけ続けてきた両親の前で男らしくケジメをつけたかっただけ。
といえば…カッコイイかな…。
本当を言えば…その場になるまでいえなかったのが正直な話。
なかなかふんぎりがつかなかっただけ。
見事に最後まで情けのない奴。
僕のパパからの言葉。
「目を覚ませ!!」
これは、あくまで僕に対して愛する人を手放すなって意味。
僕のママは無言のままうつむいてた。ときおり僕の顔を覗き込みながら…。
だけど…僕は決めた。
別れるって。
まーなに幸せになってほしいもん。
よろこんで身を引くよ。
どんなに辛くったって…どんなに苦しくったって…
僕は今回の選択を後悔することはないって思う。。もちろん性転換したことだって…。
僕とまーな。
遅すぎるけど…二人一緒に大人への道を歩みはじめるしかない。
頑張らなきゃ。
ああ。
…だめ。
やっぱ涙がまだ止まらないや…。
社会人としての責務をきちんと果たそうと思って頑張って仕事してきた今日。
気合いで涙を堪えてたけど…帰り道では涙ボロボロ状態で…。
街往く人たちには不思議そうな眼差しをたっぷり注がれてたけど…おかまいなしで。
今だって…次から次へと溢れてくる涙。
この涙が…止まる日はくるのかなぁ……
この選択決断が正しかったのか…間違ってたのか…まだわからない。
だけど…少なくとも今までよりはきっと…
二人とも幸せに近づけるってそう信じて…前に向かって歩んでいくしかない…
愛に包まれる未来を追い求めて。。