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長野騒然!聖火リレーで6人逮捕、4人負傷

 中国人の声援を受けスタートする星野日本代表監督=長野市

 各地で混乱の続く北京五輪の聖火リレーが26日、長野市内であり、長野県警は威力業務妨害などで6人を逮捕。中国旗を持った中国人とチベット問題で中国政府に抗議する人たちの間で、沿道では小競り合いが頻発し、4人が負傷した。平和の祭典とはかけ離れ、3000人超の警官による厳戒警備の中、まるで戦場のような光景が繰り広げられた。

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 「チャイナ!」「フリー・チベット!」の絶叫がぶつかる中で、それぞれの支持者たちがひざを狙った蹴り合いを始めた。“両国”の旗が錯綜(さくそう)する善光寺前の大門交差点。歩道を占拠した2000人近い群集の興奮が頂点に達したのは、聖火リレーの第3走者が目前を通過した瞬間だ。

 大きな乱闘には発展しなかったが、小競り合いは各沿道で発生する。前夜から長野市内には不穏な空気が充満し、未明には駅近くで両者入り乱れてのバトルも。中国人留学生たちはバス60台で5000人が乗り込んできた。沿道は赤い中国国旗で中国応援団が占拠した。

 リレー終了後に総括会見した鷲澤正一長野市長は「あれが『中国流』なのか」と皮肉った。チベット支援をうたう陣営との対立が避けられなかったのも無理はない。

 「国境なき記者団」のロベール・メナール事務局長(55)は、善光寺参道の和風旅館に泊まり、午前6時過ぎからの通常法要に特別参加した。リレー出発に先立って門前で15分間の座り込みを行った後、大門交差点の北東角で旗を掲げて抗議活動を展開したが、その最中に中国支持者の手製プラカードが頭を直撃、足元もおぼつかないほどもみくちゃにされた。

 市の実行委員会によると、沿道の人出は約8万5000人。リレー走者には青ジャージー姿の中国人スタッフ2人が伴走、その両脇を透明な盾を手にしたスポーツウエア姿の機動隊員5人が囲み、さらにその外側に約50人ずつが2列縦隊をつくった。長野市内の女性(70)は「欽ちゃんの顔は分からなかった。10年前の和やかな雰囲気と違う。こんな聖火リレーならしないでほしい」とさみしそうにつぶやいた。

 乱入、暴力行為、物の投げ込みなどで逮捕者は5人。聖火リレーは、ゴール地点で土砂降りの雨にたたられる。野口みずき選手が聖火台に点火した時、埼玉から派遣された警備担当の機動隊員が「これで終わった…」と苦笑いした。

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