諏訪湖漁協のワカサギ採卵事業で、今季の採卵量が28日時点で30億粒に達したことが分かった。不振だった昨季の2.5倍を確保。諏訪湖へ例年並みの19億粒を放流し、全国への卵の出荷も完了した。29日に今季の採卵を終える漁協は「ワカサギ禁漁の効果などで採卵量が回復できた」としている。
漁協は、目標量を確保できたことから、年明けから続いた禁漁を30日に解除し、諏訪湖と流入河川でワカサギ釣りを解禁する。
今季の採卵は2月中旬から始まり、5つの採卵組合が上川や砥川など6河川で、産卵のため川をさかのぼるワカサギを捕まえ、卵を採った。漁協によると、気温が低下した時期に水揚げが落ちたことはあったが、「平均して遡上は良かった」といい、3月下旬からは2季ぶりとなる卵の出荷を開始。全国約110の湖沼から注文を受けた11億粒をすべて届けた。
採卵量が回復した要因について漁協は、組合員が投網漁を自主規制したり、年明けから禁漁としたことで「親魚を保護できたため」と分析。諏訪湖が結氷したことで、魚食性の渡り鳥カワアイサによる食害を軽減できたことも大きかったとみている。
28日に市内で会見した漁協の藤森直章組合長は「30億粒を確保できたのは、休漁を理解してくれた関係者のおかげ」と感謝した。3季連続で実施した冬期の禁漁については、資源保護のために来季以降も続けることが望ましいとの考えを示した。