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20~30代の会社員88%「移民したい」

 韓国の20~30代で、社会人の相当数は「移民」を積極的に考えていることがわかった。社会人のポータルサイト「サラリーマン(www.sman.co.kr)」が10月下旬に917人の20~30代社会人を対象に実施したインターネット調査の結果、810人(88%)が「韓国を離れて生活したい」と回答した。

 その行き先としてはカナダが276人(30%)で最も多く、次はオーストラリア(29%)、欧州(15%)、米国(8%)、日本(3%)などとなっている。

 韓国の社会人が移民したいと考える理由は何か。韓国教育開発院が今年3月、コリア・リサーチ社と共同で実施した世論調査では、「子女教育のため」(33.3%)と「韓国社会に対する不安」(31.2%)だった。また、「社会における行き過ぎた競争風土が嫌い」(16.8%)、「新しく就職・事業のため」(12.6%)などが上げられている。

 社会人だけでなく、韓国の全国民も移民を肯定的にみているようだ。第一(チェイル)企画が今年5月、全国の成人男女3500人を対象に実施したライフ・スタイルに関する世論調査によれば、「外国に移民しても構わない」と答えたものが52%を記録、昨年の47%より5%ほど増加している。これは、1996年の調査結果である39%と比べると13%増加しており、97年のIMF危機以降、韓国人の「脱韓国」の傾向が反映されている。

 クォン・オヨンKTBネットワーク常務は「移民者が韓国を離れたい理由は、お金や名誉よりは原則と秩序、信頼で成り立つ社会的システムを切実に望んでいるため」と指摘する。

 専門家は、最近の移民ブームにはIMF危機とこれによる中産層の挫折感が大きく影響しているとみている。今年9月「エム・ビー・ジョン」社が実施した世論調査では、IMF危機以前に比べいまの生活水準が「低くなった」と答えた者が36%で、「向上した」の14%を2倍以上上回った。特に、韓国経済がIMF以前の状態に回復したとみる国民は16%に過ぎず、80%は経済的苦痛が続いていると答えている。

 韓国ギャロップ社のイ・ドンウク専門委員は、「生活に余裕があるサラリーマンの比率は次第に減っており、赤字世帯は増えている。夢と希望を失ったサラリーマンが徐々に増えていることが根本的な問題」と指摘する。

洪永林(ホン・ヨンリム)記者

朝鮮日報/朝鮮日報JNS
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