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長野聖火リレー 中国人、人波と赤旗で聖火包む

 北京五輪の聖火リレーが世界各地で、チベット人権弾圧等で中国を糾弾するデモや抗議行動に遭ってトラブルが続出し、平和の祭典とはほど遠い状態になっている中、26日、長野市内で聖火リレーが行われた。

 各地で中国を糾弾する抗議行動に出迎えられた経験から、24日にオーストラリアの首都キャンベラで行われた聖火リレーには、在豪中国人留学生ら約1万人が押しかけ、リレーの沿道を埋め尽くして、聖火とランナーを“守る”行動に出た。

 日本でもそのパターンが踏襲され、早くから“応援ツアー”が組まれ、組織的な動員が行われて、この日の長野市内のリレールートは、前日から長野入りしていた五星紅旗(中国国旗)を持った中国人ら約5000人で溢れかえった。彼等は口々に「北京がんばれ」「五輪がんばれ」「中国がんばれ」を叫び、国旗を振って示威行動を行った。

 一部ではチベット支援者に混じった日本の民族派と暴力沙汰になる場面もあったが、それを除けばチベット人グループと遭遇しても、中国人たちは比較的、冷静に整然と行動している姿が目立った。

 聖火のゴールである若里公園では、時折降る雨の中、朝からつめかけていた中国人たちがスクラムを組んで式典会場を取り巻き、“防衛体制”を整えていた。チベット人とその支援者らは警察の誘導によって、窪地になった広場を挟んだ公園の片隅にまとめられ、中国人らとは距離をおいて“布陣”する格好。「フリー・チベット」のシュプレヒコールに対し、「ワン・チャイナ」の掛け声が数で圧倒した。

 中国人たちは応援態度についても、事前に徹底されていたようで、巨大な中国国旗が日本人の老人の頭をかすめて、帽子を飛ばした場面では、「すみません」と何度も謝り、紙コップが風で飛ばされ、それを拾ってもらった時にも感謝の言葉を繰り返すなど、トラブルを避け、日本人に好印象を与えようという姿勢が目立った。

 大量動員と統制の取れた行動、長野市内の各所ではためいた五星紅旗。「聖火を守る」という高揚した民族主義。中国人のための聖火リレーの一日だった。

2008/4/27 3:54

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