借りた金は返しんさい(免責研関係者のブログ)
悪い人間に親切をすると二度ひどい目にあう。金を失って、しかも感謝されない。 テオグニス(希・詩人)

2007-06-24 15:07:56
瀬尾@青学大
こちら、奨学金のニュースです(笑)。

「借りた金は返すな、返さないのが正しいんだ」とかいう馬鹿弁やFPの日常活動のおかげだと思いますが、奨学金は近年踏み倒しが急増しています。現在、不良債権化している貸出金総額は1864億円(首都銀行の赤の倍^^;)に上ります。奨学金の滞納者は実に18万人!。。。。これはすごい。18万人ですよ。もちろんワリを食うのは納税者で、赤はすべて税金で埋まります。安易に貸して、回収が甘いからこういうことになるんでしょう。トンでもないです。

実は奨学金は低利(3%)の上、在学中の金利を政府が埋めているため、滞納者がいなくても税金は持ち出しなんです。利子補填額は07年度で169億円(!)。財務省ではいかにも3%は安く、このままでは調達金利が貸出金利を上回るとして「上限金利撤廃」を検討しているもようです。(このままでいくと利子補填額は17年度には10倍の1820億円になると計算してるらしいです、スゴイですね)。

でも、奨学金は20年かかって返済するため、金利上昇は借り手の負担となって、ますます返済が滞る可能性があります。そ・こ・で、奨学金の回収を民間委託するようです(笑)。サービサーを通じた回収や、コールセンターを利用した督促を検討しているようです。ま、民間委託はしたらいいです。相手の嫌がることをしないで、貸し金を回収できるわけがありません。

それにしても・・奨学金って必要なんですかね。
と、考えてしまうのは私が多分、東京の私立大学にいるからだと思いますが、少なくとも東京の私学に地方から通う学生には、家庭の貧困を助ける意味での奨学金は必要ないと思います。だって、東京の私学は、授業料だけでなく住居費もとても高い。そんなところにわざわざ通うなんて、ミンクのコートと同じで贅沢ですから。福祉を考えるときは贅沢品と必需品は分けてしかるべきです。ぜいたく品に低利融資なんかしてはいけません。

うちの大学では奨学金は最大つき16万まで借りられます。4年間で768万円です。これを20年後に一括返済しようとしますと、返済額は1387万円です。まあ、毎月返せばいいんですが、学生時代に16万なければ生活できないような人間が、初任給手取り20万のなかからどれだけ返済できるか疑問というものです。16万は貸しすぎです。奨学金なんか5万円くらいで十分で、それで通えるところを選べばいいと思います。たとえば私が博士号をとったつくば大なら寮がいっぱいあって、部屋代は月一万円。物価もとても安いので、3万あれば院生でもなんとか暮らせます。5万もらえば海外旅行にさえいけるでしょう。つくば大学は東京の私大に比べて教育水準が低いということはまったくありません。地方の国立大学で安くて質の高い教育が提供されているのに、南青山で12万も出して部屋を借りるのは贅沢だと思うのです。

もっとも、学生の親が農業や自営業の場合、見た目の収入は低いけれど、それは単に申告をしていないだけのことで、実は豪邸に住んでいる、というケースも少なくないです。ガラス張りのサラリーマンはこんなところでも損をしています。また、なかには子供の奨学金を低利の資金調達の手段と考えて、とりあえず借りさせてピンハネする親もいたりするので油断なりません。

奨学金の原資になる税金は高卒で一生懸命働いている人も払っています。そんなお金を4年間、ぶらぶら遊ぶ奴らに融資するなら、「上限金利撤廃」や、やくざ・・じゃなかった、サービサーを使った回収は当然だと思います(そう、ほとんどの学生がぶらぶら遊んでる、っていうところがまた腹立つんですよねーー)。   





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コメント
 
 
 
滞納者の陰にいるのは・・・ (チェリー)
2007-06-25 20:34:32
>奨学金の滞納者は実に18万人!。。。。これはすごい。18万人ですよ。

お久しぶりです。

18万人の陰にはそれぞれ連帯保証人や普通の保証にがいるんですよねえ。。。親が連帯保証人になってる人も多いんじゃないですか? 

>奨学金なんか5万円くらいで十分で、それで通えるところを選べばいいと思います。

私も個人的には同感です。でも、子供の希望を叶えてあげたいのも親心ですからね。それでも、その子が自力で返せなくなっって親に迷惑かけるわけで、なんと言っていいのかわからなくなります。

 
 
 
Unknown (momo)
2007-06-26 18:50:16
チェリーさん、親のどちらかは通常、連帯保証人になります。それでもこれだけ踏み倒すってどうよ?という話なんです。

>子供の希望を叶えてあげたいのも親心ですからね。

よく分かります^^。でも子供の希望なんてたいした根拠がないこともあるので、無理はしないことだと思うのです。もちろん親のすることに他人が口をはさむことはありません。ただ、税金原資の奨学金で「希望をかなえる」のであれば、ある程度の慎重さは必要だとおもうのです。
 
 
 
余計な借金を増やすからでしょう (チェリー)
2007-06-27 22:22:24
>親のどちらかは通常、連帯保証人になります。それでもこれだけ踏み倒すってどうよ?という話なんです。

連帯保証人と普通の保証人の違いについて知識もないような学生が借りてるんじゃないですか? 借りる前に誰か教えてますか? 

社会に出てからよけいな借金を増やすから、本来返すべき奨学金の返済にも困ることになるのかと。「親や親類が奨学金の保証人で迷惑かけたくないから自己破産だけはしたくない!」って相談してる例もけっこう多いですよ。払えなくなってからそんなことを言っても遅いと思いますけどね。

実際には、親も子供が奨学金という形の借金をすることをあまり心配していないような気がします。本当の親心があれば、子供に無理な借金はさせないのではないでしょうか? 

私なら、子供には余計な借金を作らせたくないので、奨学金を借りるならできるだけ負担の少ない額にしなさいと教えます。後は自力で稼ぐしかないし、それができないなら進学はあきらめさせます。もちろん、連帯保証人を頼むことについても教えます。親ができる範囲を子供に示さないから子供も甘えるのではないでしょうか。


>税金原資の奨学金で「希望をかなえる」のであれば、ある程度の慎重さは必要だとおもうのです。

慎重であるためには、学生のモラルを審査するか、あるいはもっと確実な担保を取るか、でしょうか?

数十年前私が学生だった頃、ある教授が、「私の学生時代はほとんどの学生が貧乏だった。今の学生は贅沢だねえ。学生のほうがお金を持ってるし、私は今も貧乏だ」と笑って言いましたが、今はどうでしょうか? 私は、今の学生も贅沢だと思いますよ。

 
 
 
Unknown (にこぶん)
2007-06-28 10:55:37
奨学金の「返還ができない」のではなく、「返したくない」、というのが問題なんですね。奨学金の返還は当然ですから、奨学金の管理者は利用者との返還交渉で誠意が見られないとすれば法的措置で強制的に回収するぐらいの気構えでいてほしい、でないと益々、税金が無駄に使われそう。
提案としては、悪質な奨学金未返済の人には給与から税金に上乗せで徴収して行くというのはいかがでしょうか。奨学金の最終的穴埋めが税金で補てんされるのなら、同じように税金の徴収時に奨学金貸与分を差し引くということで。
 
 
 
Unknown (にこぶん)
2007-06-28 11:09:00
奨学金の滞納者が18万人とは、、、確かに多すぎます。「おれ、返してないんだよねーー、」と一人が言うと「なんだ、そんな感じでいいのかーー」っていう風に、未返済が大したことじゃない、と楽観感覚で伝染的に広まっていくんでしょうか。お金よりも人間形成に悪影響を及ぼすような問題ですね。誰かが喝を入れないと、さらに未返済が増えそう。
 
 
 
チェリーさん (もも)
2007-07-02 22:07:41
>慎重であるためには、学生のモラルを審査するか、あるいはもっと確実な担保を取るか、でしょうか?

それもあるでしょうが、やはり金額を減らしたいところです。学生のモラルを審査するなんて無理ですし(学生にモラルなんかないですよ)確実な担保といっても両親の自宅を担保に取るわけにはいかないですから。唯一調査可能で担保価値があるのは学生の「能力」です。これは、と思う優秀な学生は少数ですが存在はしているもので、そういう学生になら私個人でも奨学金を出してもいいと思うくらいです。本当に優秀な人材なら小額の金を踏み倒して自分の将来を棒に振ったりしないですからね。
 
 
 
にこぶんさんこんばんは! (もも)
2007-07-02 22:15:21
おっしゃるとおり、断固とした姿勢で取り立てるのが当然だと思います。でも給与から徴収するのが効くののは給与所得者だけですよね。奨学金の受給者は農家や自営業など、所得補足がむずかしく、税金を逃れている家庭の子弟が多いのも事実です。フローはない(ことになっている)けれど、ストック(土地とか)はあるというケースもままあると思われます。

ところで、楽観主義が伝染するというのはスルドイ。実は、授業でも伝染します。たとえば、学生にレポートを10枚の課題を出すとしますよね。一年目は半分以上が10枚書いてきます。でも数人は9枚しか書かない。でもまあ、9枚ならいいでショ、と温情で通すとしますよね、そうすると二年目は一番多い人で9枚で、数人は7枚くらいで出してきます(本当)。これを通すと今度は5枚の学生が・・・というふうにどんどん甘く見られることになるのです。なんせゆとり教育世代は、楽することだけを小・中・高ですりこまれてますからねえ・・手ごわいですよ、ホント。
 
 
 
ももさん、こんにちは。 (にこぶん)
2007-07-04 10:36:52
楽観主義で決めごとがズルズル崩れていく事って、わりとありますよね。学生さんにレポート10枚の課題を出して、数人が9枚しか書かない場合、その9枚の学生さんには思いっきり評価を下げるとかのマイナス対応がないと10枚書いてこないかもしれませんね。(つまりは、やらない事が自分の身に返る)
奨学金の件では、確かに家庭のフローとストックの関係を考えるケース、ありますね。
 
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