国際化

“中日友好カップ”国際バスケットボール親善競技


写真1 代表チームメンバー達の親善競技前の集合写真

 7月31日,東京工業大学体育館の正面の壁に中国語,英語の横断幕「東京地区“中日友好カップ”国際バスケットボール親善競技」が大きく掲げられた。
 主催者は東京地区中国留学人員友好連誼会(以下略称“中国学友会”),大会を開催した実行部は東京工業大学中国学友会,スポンサーは中国駐日大使館及び北京のソフトウェア産業促進センターである。
 来賓には中国駐日本大使館教育処の一等書記官宋柏林氏,東京工業大学留学生センター長日下部治教授を迎え,中国学友会からは全日本兼東京地区中国学友会会長李光哲,副会長呉瓊,副会長蘇洲研究員,事務局長鄭軍が出席した。
 この大会には東京工業大学,早稲田大学,筑波大学,慶応義塾大学,東京海洋大学,高崎経済大学,横浜国立大学,埼玉大学,上智大学,茨城大学及び日本首都大学の日本の11大学から16チームが出場した。選手は中国,韓国,米国,ポーランド,インドネシア,タイからの留学生・研究員と日本の大学生を含む約100名である。
 中国で一級バスケットボール審判の資格を持つ劉暁東修士など8名の留学生・研究員がボランティアで審判事を担当した。


写真2 李光哲会長の国際バスケットボール親善競技開会式での挨拶

 李光哲中国学友会会長は主催側を代表して開会式で挨拶した。
 彼は今回の国際バスケットボール親善競技に参加した各国の選手に歓迎の意を表し,中国学友会の主旨は「団結・愛国・奉仕・友好・貢献,即ち全日本の中国人留学生,訪日及び在日研究員を広範に団結し,様々な友好に互助活動を展開する。また,中国人留学生の良好な社会イメージを強め,中日の友好交流事業にも積極的に参加し,中日の友好交流事業の発展を促進し,中日両国の,また在日中国人留学生・研究者と祖国の間の掛け橋の役割を果たす」ことであることを紹介し,また今大会の目的は,「バスケットボールを通して友好と,中日学生の間及び各国の留学生との間の交流と相互理解を促進することである。その目的のため試合の勝敗に関わらず,お互いの交流と友情を深めて下さい」と述べた。


写真3 宋柏林一等書記官の開会挨拶

 宋柏林一等書記官は開会挨拶の中で「今日この試合に中国人留学生と日本の大学生に加え,韓国,米国,ポーランド,インドネシア,タイからの留学生,研究員の皆さんが参加し,これは本当に多国の青年交流の貴重な機会だと思う」と述べた。
 また「学生,研究者の立場に関わらず,研究外で互いに交流するスポーツなどの活動は相互理解を深めるよい方法である。現在日本に居る中国人留学生が10万人を超えて,その内大学生は7万7千人,日本の留学生の66%を占めている。貴方達の最も大切なことは学ぶ事だが,その他に沢山の交流活動を通して,日本とその他の国の友達に中国の文化と中国人民の平和と友好の伝統を紹介してほしい」と述べた。
 また最後に中国学友会の今回の活動を高く評価し,このような交流活動を通じて,中国人留学生と各国の学生との間の相互理解,友情を深めることが望ましいと挨拶を締めくくった。


写真4 白熱した試合

 試合は抽選で4グループに分けて行い,16チームが白熱した試合を行った。4チームごとに選手達は友好的な雰囲気の中で4回に分け総当り戦を行った。
試合は盛り上がりをみせ,早稲田大学の天空チーム,東京工業大学 World cup チーム,高崎経済大学の銀河チームと地球村チームのトーナメント進出が決定し注目を集めた。
 この4代表は,チーム一丸となり難関を突破して準決勝の4強に選ばれた。決勝戦は高崎経済大学銀河チームと地球村チームの間で展開された。2つのチームはいつも合同練習しているため,互いに相手の戦術と選手個人の特質をよく知り合っており,拮抗した試合が展開された。観客もその好カードに興奮し,選手と同じく手に汗握る盛り上がりを見せた。スコアは一進一退で両チーム譲らぬ戦いになり,激しい戦いを経て,最終的に高崎経済大学銀河チームが,今回の国際バスケットボール親善競技の優勝の栄誉を獲得した。高崎経済大学地球村チームと早稲田大学天空チームがそれぞれ第2位と第3位を獲得した。


写真5 日下部治教授の閉会式での挨拶

 東京工業大学留学生センター長日下部治教授が閉会式で挨拶を行った。彼は「中日友好カップ国際バスケットボール親善競技」に参加した各大学の学生に熱烈な歓迎の意を表した。彼は「私自身もたいへんバスケットボールが好きで,高校時代によく練習をしました。しかし結局身長が足りないため諦めました。私はあなた達と同じくらいの年齢に留学生で,イギリスのケンブリッジ大学に留学していました。その時アジアの留学生は中国のみ学生連合会があり,彼らもいつもサッカーなどをしていました。私達日本人留学生とその他の国の留学生も,いつもケンブリッジ大学の中国人学生学者連合会の主催した各種活動に参加して,そのため多くの中国の友人ができ,今思い出してもとても懐かしく思いますね」と述べた。
 彼は,東工大の中国人留学生はとても優秀で,学習と研究の両面ともに努力し,優秀な成績を修め,社会活動の方面でもますます活発になっていると褒め,「中国の留学生が日本社会において日本の青年と交流することをとても応援している。更に各国の留学生同士で相互理解を深めていくべきだ」と述べ,最後に「今日訪れた全ての人がともに有意義な一日を過ごせた」と挨拶を締めくくった。


写真6 スポーツ選手代表酒井隆之さんの閉会式での挨拶

 早稲田大学代表チームの日本人メンバー酒井隆之選手は「スポーツを通じた文化交流は日中両国の友好な交流と発展のためにとても大きな貢献を果たした」と閉会式で挨拶した。彼は今日の活動を通して,「中国人留学生と日本学生の間の交流と相互理解を深めることができた。今後もこのような友好交流の活動が少しでも多くなることを望み,更に多くの日本の青年がこのような活動に参加することを望む」と発言した。


写真7 優勝の高崎経済大学銀河チームの記念写真

 日下部治教授,李光哲会長,呉瓊副会長はそれぞれ優勝,準優勝,第3位のチームに賞杯,賞品および賞状を授与し,試合に参加した外国チーム(韓国・米国・ポーランド・インドネシア・タイ)の学生達に中国を紹介する日本語版の図書と CD-ROM を贈呈した。
 優勝した高崎経済大学代表チームのリーダー徐宏は「今日対戦した各チームは,皆実力がとても高く,中にはプロと殆ど遜色の無いチームもありましたが,私達は運良く優勝する事ができました。しかし優勝よりも大切なことは,今日この日この時に違った文化を持つ様々な国の方々とバスケットボールを通じ交流し,友人となった事です」と述べ,「今回の素晴らしい交流活動及び“中日友好カップ”国際バスケットボール親善競技を支えた関係者全ての方に感謝します」と締めくくった。


写真8 優勝,準優勝,第3位のチームと審判員と参加選手達の写真

 試合終了後,選手全員と観衆は中華ギョーザ懇親会に参加した。全日本兼東京地区の中国学友会の呉瓊副会長は「今日の試合をただの試合で終わらせる事なく,本日の活動を通じて,私達中日両国の青年の間及び他国の青年との交流,理解を深める事ができたと思う。東京地区の中国学友会は今後もこのような交流活動を継続し,さらに各国の人々の交流範囲を拡大し,相互理解を深めるチャンスを作っていくので,日本や他の国の学生の参加を心からお待ちしています」と乾杯の挨拶を述べた。
 活動の参加者達は主催側が用意した《中国》,《中日の国交正常化30周年》と《中国2003》などの精巧で美しい日本語版の画集と図書の鑑賞を楽しんだ。
 懇親会に参加した人々は中国学友会の関係者が作った本場のギョーザを味わいながら歓談し,スポーツから日本,中国,世界の発展及び各国の民族性や文化,留学や個人の興味など話題は多岐に及んだ。途切れる事ない笑い声の中,各国の参加者は楽しく時を過ごした。
 今回の“中日友好カップ”国際バスケットボール親善競技は中国駐日大使館の教育委員会,文化委員会,北京のソフトウェア産業促進センターと東京工業大学留学生センターの支援を得て開催された。中国駐日大使館の教育委員会,文化委員会は今回の国際バスケットボール親善競技のために,中国文化,中日交流などを紹介した数十セットの日本語版の精巧で美しい書籍と CD-ROM を提供した。北京のソフトウェア産業促進センターも今回の活動に対して賛助を与えた。

(写真/顧義華  文/王臻偉)


東工大クロニクル No.402NEXT
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