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首相が岩国民間空港「約束」、民主「露骨」と批判…衆院山口2区補選

 27日投開票の衆院山口2区補欠選挙で、選挙運動期間中唯一の日曜日となった20日、福田首相と公明党の太田代表が選挙区に入り、応援の街頭演説をした。

 福田首相は岩国市のホテルで同市の福田良彦市長らとの面会も行い、米海兵隊岩国基地の民間空港利用再開を約束。ガソリン税の暫定税率復活についても県や県市長会などから緊急要望を受け、関連法案の早期成立を目指す姿勢を強調した。

 これに対し、民主党側は「露骨なアメ作戦だ」と批判、与野党の対決ムードが高まった。

 補選には自民党新人・山本繁太郎候補(59)(公明党推薦)と民主党前衆院議員・平岡秀夫候補(54)(社民党推薦)が立候補している。

 この日、福田市長から民間空港利用再開の要望書を受け取った福田首相は「地方の発展に必要なので、お約束申し上げます」と明言。同席した選挙区内の10市町長や地元財界関係者から拍手が起きた。

 同基地は1952〜64年に民間空港として使われた実績がある。軍民共用化は地元の悲願だったが、井原勝介・前市長が在日米軍再編に伴う同基地への米空母艦載機移駐に反対し、国との協議は止まっていた。それだけに、福田市長は「うれしいサプライズ。市民の夢が実現することになる」と興奮気味に語った。

 さらに福田首相は、県や地元首長から、地方財政の混乱解消に向け、ガソリン税の暫定税率を復活させる関連法案の速やかな成立を要望されると、「同じ考えなので、早期成立に全力を挙げたい」と答えた。

 光市の街頭演説でも「民間空港はようやく再開するかというところにきた。山本候補に頼んでおけば、やってくれる」と、支持を呼びかけた。下松市では「(民主党は)選挙の人気取りのためにガソリン税を下げている。税金の不足分をどこで賄うのか答えはない」と指摘した。首相の街頭演説は、就任以来初めて。

 一方、福田首相の民間空港利用再開の確約という“土産”を知った平岡候補は怒りをあらわにした。移駐問題を巡って国が建設費の補助を一時凍結するなどした末に完成した岩国市庁舎前での街頭演説では、「私が当選したら、民間空港再開が実現できず、相手が当選したらできるというのか。国のアメとムチの政策で翻弄(ほんろう)された庁舎の問題と同じだ」と厳しい表情で訴えた。

 また、同市玖珂町で開かれた平岡候補の個人演説会で、民主党の鳩山幹事長は「福田首相は道路特定財源を一般財源化し、必要な道路は造ると言うが、道路建設ありきでは、今までと変わらない」と批判した。

2008年4月21日  読売新聞)
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