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インディもびっくり 水晶ドクロは19世紀独製

2008年04月24日22時42分

 【パリ=国末憲人】中米マヤ、アステカ文明の遺物といわれる水晶ドクロ(クリスタル・スカル)をテーマに、日本でも公開される映画「インディ・ジョーンズ」シリーズの新作「クリスタル・スカルの王国」の封切りを記念して、パリの国立ケ・ブランリ美術館は5月から、所蔵する水晶ドクロを展示する。ただ、所蔵品は調査の結果、19世紀のドイツ製の偽物と判明。関係者を驚かせている。

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パリのケ・ブランリ美術館が所蔵する水晶ドクロ(クリスタル・スカル)(ケ・ブランリ美術館提供)

 水晶ドクロは、実物大の人間の頭蓋骨(ずがいこつ)の形に水晶を削ったもの。同館によると、世界で12個確認されている。同館所蔵の水晶ドクロは高さ11センチ、重さ2.5キロの透明水晶製。アステカ王国の神話で死の世界を支配する神「ミクトランテクトリ」を体現したものと言い伝えられ、同館の前身の博物館に19世紀、冒険家から寄贈された。

 しかし、同館が昨年研究機関に依頼した調査で、表面に機械を使用した跡が判明。ブラジル産の石を使って1867〜86年にドイツ南部の工房で制作されたとの結論となった。同館は展示で、その経緯も含めて紹介する。

 水晶ドクロについては「手で磨くと制作に300年かかる」「全部で13個あり、2012年に集めないと世界が滅亡する」などの伝説、迷信がある。映画は、神秘の力を持つ水晶ドクロを巡り主人公のインディ博士とソ連軍が戦う物語という。

 ケ・ブランリ美術館は、アジア、アフリカ、中南米などの非西洋文明に光を当てる美術館としてシラク前大統領が建設を推進。06年にセーヌ河岸に開館した。水晶ドクロの公開は5月20日〜9月7日。ドクロをモチーフとしたアフリカやニューギニアの作品も同時に展示する。映画は、日本で6月21日から全国でロードショー公開される。

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