滋賀県守山市の県立成人病センター(河野幸裕病院長)が、複数の医師に対して残業代を支払っていなかったとして、大津労働基準監督署から労働基準法に基づく是正勧告を受けた。医師らは部長の管理職に就いていたが、実質的に病院経営にかかわる権限は与えられていないとして、労基署は「名ばかり管理職」の状態にあったと判断した。
内部告発を受けて、同労基署が今月11日にセンターを立ち入り調査。関係者から事情を聴き、勤務日誌などを調べた結果、十数人の管理職の医師に残業が常態化していたが、残業代は支払われていなかったという。18日に是正勧告をした。
残業の常態化の背景には医師不足があるとみられ、同センターを運営する同県病院事業庁は「厳粛に受け止め、改善に努めたい。ただ今後、十分な医師が確保できるかと言われれば難しい」と話している。