東京メトロの新路線「副都心線」(13号線)が、6月14日に開業する。明治通りの地下を使い池袋、新宿、渋谷の副都心を縦断する。路線カラーはブラウン。06年から有楽町線で活躍中の「10000系電車」が走る。
副都心線の運行区間は「和光市駅(埼玉県)-渋谷駅間」の20・2キロ。ただし新設するのは池袋-渋谷間8・9キロだけ。
実は池袋から和光市に行く途中の小竹向原(こたけむかいはら)間3・0キロは、有楽町線が複線の2階建てトンネルで複々線構造になっている。上は有楽町線、下は有楽町新線。このうち有楽町新線を副都心線として活用する。私は有楽町新線に乗ってみたが、今は有楽町線だけが停車する途中駅「要町(かなめちょう)」「千川(せんかわ)」で、副都心線用ホームを整備中だ。なお小竹向原-和光市間8・3キロは、副都心線と有楽町線の電車が共有する。
池袋-渋谷間の所要時間は16分程度で、急行は11分程度。各駅停車はJR山手線、急行はJR埼京線、JR湘南新宿ラインと、ほぼ同じ。運転間隔は朝のラッシュ時で平均3分35秒。
副都心線は、開業と同時に和光市駅で東武東上線、小竹向原駅で西武有楽町線と直通運転する。さらに12年度をめどに、渋谷駅で横浜方面の東急東横線との直通運転を予定している。
ところで東京メトロでは、副都心線の完成で、工事が一段落する。そこで注目されるのが、構想段階の路線の扱いだ。有楽町線では、豊洲駅から北に分かれて半蔵門線の住吉駅に接続し、東武野田線の野田市駅(千葉県)に延ばす構想がある。豊洲、住吉の両駅には、構想に備えたスペースがある。
「10年、20年先の鉄道網がどうなるか」を考えながら地図を眺めると、夢と期待が広がる。【木下豊】
毎日新聞 2008年4月22日 地方版
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