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「海外メディアと接触するな」中国 五輪控え活動家監視に拍車

2008.1.17 21:37
このニュースのトピックス中国

 【北京=野口東秀】「海外メディアと接触するな」−。北京の当局者は、国家政権転覆扇動容疑で逮捕した男性A氏を釈放する際、こう警告したという。昨年12月に同容疑で逮捕した著名な民主活動家の胡佳氏(34)の妻は軟禁され、外部からの連絡・接触はほぼ不可能だ。いずれも海外メディアとの接触を断つためとみられ、他の活動家に対しても同様の措置が講じられている。北京五輪が近づくにつれ、活動家への締め付けが一段と強化されているようだ。

 A氏は五輪に向けた再開発で自宅を強制撤去され、これに抗議していたが、昨年9月に国家政権転覆扇動容疑で逮捕され、「公安局の秘密の場所に拘束された」(同氏)後、今月初旬に釈放された。

 釈放は「起訴できる内容がないから」(A氏)だという。拘束中、海外メディアとの接触や五輪反対の文書のインターネット上での掲示に関連、当局者は「おまえは国家(の顔)に泥を塗っている」と批判した上で、「売国奴だ。五輪を持ち出すな。五輪はとても敏感(な問題だ)。(家屋の強制)撤去は撤去。五輪と結びつけるな」と強調。さらに「取材を受けるな、文章を発表するな、(地方からの農民ら)陳情者と交流するな。(警告を)聞かないならいつでも拘束する」と警告したという。

 A氏は2003年、自宅を重機などで強制撤去された。その破壊の仕方にA氏の母親は「日本軍よりむごい」と嘆き、恐怖に失禁した。家財道具を持ち出せず、約40万元(1元約15円)近い現金もなくなったという。母親はA氏の拘束中に死去した。

 胡佳氏の妻、曽金燕さん(24)は夫に面会できないまま。弁護士も胡夫妻に面会できていない。弁護士は自分が当局者により面会を阻止されていることを示唆している。胡氏の自宅は当局者が24時間態勢で取り巻いており、曽さんは外出できず、海外メディアも入れない状態だ。

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