韓流ドラマに押されっぱなしだった米国ドラマが俄然、勢いを取り戻している。
1990年代「ツイン・ピークス」「ビバリーヒルズ高校/青春白書」「アリーmyラブ」などで人気を集めた米ドラマ。2003年にNHK−BS2で放送された「冬のソナタ」以来、どの放送局も韓流を追いかけた。純愛路線で女性の圧倒的支持を受けた韓流だが、「手当たり次第に輸入され続けたことで質の低下は目を覆うほど。ワンパターンで視聴者に飽きられた」(テレビ誌編集者)。
かろうじて売り上げを保っていたセルDVDも、「昨年後半から数字が下がりだした。中年主婦層でどうにかもっていたが…」(ビデオ業界関係者)と悲鳴が上がる。
米ドラマ復活の立役者「24」は、日本では先月からシーズン6のレンタルを開始。本国ではシーズン8まで制作が決定、映画化も予定される。
「03年にレンタルが始まった時はさほど話題にならなかったが、フジテレビが翌年4月に深夜枠でシーズン1を連続放送してから口コミで人気が広がった」(テレビ誌編集者)。9月には飲酒運転で主役のキーファー・サザーランド(40)が逮捕されたが、人気が衰える気配はない。
その後も、「M:i:III」の監督が手掛ける「LOST」、刑務所からの脱獄を企てるサスペンス「プリズン・ブレイク」など次々と米ドラマがヒット。
そして、先月からCSチャンネル「スーパー!ドラマTV」で日本上陸したのが「HEROES」。特殊能力に目覚めた人々が人類を待ち受ける運命に立ち向かっていくSFで、VFXを駆使した迫力満点の映像がウケ、米国では昨年の視聴率争いで「24」シーズン6に圧勝。エミー賞では1年目にして8部門ノミネートと質も高い。
「ヤッター!」の日本語を米国ではやらせたオタクのサラリーマン役、マシ・オカ(32)=写真=を来日させる大プロモーションを敢行。「24」も出演女優を来日させるなど、つばぜり合いも激化してきた。
韓流は10月26日からチェ・ジウ(32)主演の「エア・シティ」がWOWOWでスタート。“涙の女王”がキャリアウーマンにイメチェンして臨む話題作で人気挽回に懸命だ。
ZAKZAK 2007/11/02