中京区の御池大橋西詰めに設置されている文豪・夏目漱石(1867~1916)の句碑を知ってもらおうと、「京都漱石の會(かい)」(丹治(たんじ)伊津子代表)が駒札を京都市に寄贈し、12日、同所で除幕式が開かれた。
句碑は66年に「京都漱石句碑の会」によって建てられたが、その後活動はほとんどなかったという。そのため、昨年10月に漱石に関心のある人らで「京都漱石の會」を設立した。駒札は五角形で、高さ約1・6メートル。句碑に刻まれている「春の川を 隔てゝ 男女哉」は、漱石が鴨川を隔てた祇園茶屋の女将(おかみ)を思いながら詠んだ句であるなどと解説。漱石と京都のゆかりなどを説明している。
除幕式には約70人が参加。門川大作・京都市長が「住みにくくなった世の中だが、漱石に京都は住みやすくなったと思われる町づくりを進めていきたい」とあいさつした。丹治代表は「忘れ去られていたようだが、京都市民にも漱石との由縁を知ってほしい」と話した。【藤田健志】
毎日新聞 2008年4月13日 地方版