死球後の4回の第2打席は松井が先制攻撃。初球を右前安打とした(原田史郎撮影) |
【ボルティモア=米沢秀明】ヤンキースの松井秀喜外野手は18日、オリオールズ戦に5番DHで先発出場し、今季初死球を含む2死球を浴びて我慢強いゴジラもさすがに顔をゆがめる場面があった。2打席目に右前安打を放つなど2打数1安打。チームは2−8で敗れたが、好調松井は今季最終年となる現ヤンキースタジアムで開催される米球宴(7月15日)のファン投票用紙にDHとしてリストアップ。このまま調子を維持できれば、4年ぶりのゴジラ球宴逆襲劇の可能性もある。
相手先発は松井がカモにしている右腕Dカブレラ。2回の1打席目、苦手打者に対して打たれるのを嫌がる投手がよく陥る内角攻めで、2球目を右ひじにぶつけられた。
さらに6回1死一塁からの3打席目には、カウント2−2からの5球目が打ちに行った松井の左ももへ。94マイル(151キロ)の速球が直撃し、松井は一瞬動きを止めて思わず顔をしかめた。その後平然と一塁へ歩いたが、ジラルディ監督も慌てて一塁へ駆け寄った。
打撃自体は好調だった。4回2死二塁の好機からの2打席目では、ぶつけられる前に松井が先制攻撃。初球の低めのボールを痛烈に一、二塁間を破った。7回の4打席目は2死一、二塁の好機だったが三邪飛に倒れた。試合はヤンキース先発ヒューズがつかまり、大量リードを許す劣勢となった。
29日から投票が始まる米球宴のファン投票用紙にリストアップされた日本人選手は、ア・リーグは松井のほかにイチロー外野手(マリナーズ)、城島健司捕手(同)、岩村明憲内野手(レイズ)。ナ・リーグは福留孝介外野手(カブス)、井口資仁内野手(パドレス)、松井稼頭央内野手(アストロズ)と過去最多の計7野手。
常連のイチローや地元シカゴで大ブームを起こしている福留、リストに挙がらない投手部門の松坂大輔投手(レッドソックス)らは有力候補だが、最近球宴出場から見放されている松井も今季は選ばれる可能性が高い。
DH部門にリストアップされているのは14選手で選ばれるのは1人。その顔ぶれを比較すると最も好スタートを切ったのが松井だ。全14選手の17日現在の成績を比較すると、松井の3本塁打はトーマス(ブルージェイズ)、ハフナー(インディアンス)ら他4選手と並んでトップタイ。打率.321はバトラー(ロイヤルズ)、フロイド(レイズ)に続いて3位となっている。
ファン投票では最大の強敵となるのは人気のオルティス(レッドソックス)だが、今季は不調とあってすでに着外。本拠地開催の有利さと日本からの組織票があれば、松井はすでに当確圏内にいるといえるかもしれない。
ZAKZAK 2008/04/19