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公衆電話荒らし:大阪で多発、昨秋から100件超 災害時、命の綱なのに…

 ◇設置減に追い打ち

 大阪府内で街頭に設置された公衆電話が壊され、売上金を盗まれる被害が昨秋以降、100件以上起きている。自動販売機荒らしの発生件数が2年連続全国ワースト1となるなど、街頭犯罪が多発する大阪で、災害時の貴重な通信手段の公衆電話が新たな標的となっている格好だ。NTT西日本は、電話機を金属カバーで覆うなどして警戒を強化。府警は窃盗などの容疑で捜査している。【花牟礼紀仁】

 NTT西によると、被害は昨年10月~今年1月に、計111件あった。同社は「被害件数の詳しい集計は取っていなかったが、短期間にこれだけ被害が集中した例は見当たらない」としている。

 共通する手口は、売上金をためる部分を工具のようなものでこじ開ける手法。発生場所は、大阪市内で79台、堺、吹田両市で各7台など広範囲にわたる。同社の管内で被害が多発しているのは大阪だけといい、NTT東日本管内でも集中被害はないという。

 修理には計約470万円かかった。盗難額については「防犯対策上公表できない」(NTT西)。被害に遭った電話機付近で作業服姿の人物が目撃されており、犯人がNTT関係者を装っていた可能性もあるという。

 公衆電話の設置台数は携帯電話の普及に伴い、全国的に減少傾向にある一方で、災害時の重要性は増している。被災地では、携帯電話は、通話殺到による回線のパンクを防ぐために発信規制が実施される。しかし、公衆電話は一般電話とは違う交換機を経由する優先電話となっており、つながりやすいからだ。

 NTT西の公衆電話事業は06年度では約57億円の赤字。このため、設置台数の削減を進め、府内では、97年の6万3500台から07年は2万8000台まで減った。今回の被害でさらに、23台が前倒しで撤去された。

 府警によると、昨年の府内の自販機荒らしは約7900件で、前年比約25%増。車上狙いやひったくりなども発生件数が全国ワースト1だった。

毎日新聞 2008年4月19日 大阪夕刊

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