県立高3校が、06年度に生徒から集めた授業料の未納分を立て替えていたことが17日、県教委の県立学校事務長会議で報告された。県立学校学則は、授業料の滞納が納付期限から2カ月を過ぎた場合、生徒に退学を命じることができるとしているが、学校側は「生徒への教育的配慮として行った」と釈明しているという。
県教委によると、授業料立て替えは、07年度の包括外部監査で判明。監査対象15校のうち弘前実業、野辺地、八戸工業の3校で、生徒5人分計32万1800円が保護者らから徴収した学年費や本人が積み立てた修学旅行代金、学校独自のプール金などから充当されていた。未納金は既に生徒から全額徴収されているという。県教委は不適切な処理だったとして改善を指示した。
また監査では、入学者選抜手数料の報告ミスで、県教委の歳入に計上漏れが生じていたり、高校から県教委へ報告された授業料の減免金額に誤りがあったほか、県教委の集計漏れもあることが分かった。
県教委は今月中に庁内にプロジェクトチームを発足させて実態調査を行うなどし、授業料徴収に対する課題と改善策を検討する。県教委の田村充治教育長は「是正を求められたものは速やかな改善を図り、適正な財務事務に努めてほしい」と話した。【野宮珠里】
毎日新聞 2008年4月18日 地方版