聖火リレー 善光寺内に「出発地の返上やむなし」の声2008年04月18日11時34分 26日の長野市の北京五輪聖火リレーをめぐり、出発式会場となっている善光寺の内部で、「出発地の返上はやむを得ない」との声が高まっている。善光寺は18日午後、周辺の宿坊と寺院の住職が集う臨時の「全山会議」を開いて対応を協議する。運営者側は同日中に、寺側の真意を確認する予定だ。
返上が決まれば、同市の聖火リレーで、初めてのルート変更となる。本番を約1週間後に控え、出発地が変更になれば、県警の警備計画などに大幅な変更が迫られる。 善光寺事務局の若麻績享則(わかおみ・たかのり)庶務部長は18日朝、「みなさんにご迷惑をおかけしている。リレーの運営全体のことなので、いつとは言えないが、なるべく早く結論を出したい」と語った。 背景には、善光寺内に混乱への懸念や、チベット人と同じ仏教徒としての戸惑いがあるとみられる。ある宿坊の住職は「世界中で混乱が起きている状況を踏まえれば、出発地を返上することもやむを得ない」と話した。 別の宿坊の関係者は「平和の象徴である善光寺で、厳戒な警備態勢が敷かれたり、万が一、暴動などが起きるようでは困る」と語った。ほかの宿坊の関係者も「世界に善光寺をアピールできるチャンスだった。抗議に負けないように開催できれば良かったが問題が起きると困る」と悩ましい表情を浮かべた。 一方、3千人規模の大規模警備で備える予定の県警幹部は「人が最も集まる出発式会場は、警備上最も重視すべき場所。この時期に変更となると大変なだ」と困惑している。 運営する市や日本オリンピック委員会などでつくる実行委員会は、当日は混乱も予想されることから、善光寺の参道への一般客の立ち入り規制も検討していた。それに対して、善光寺事務局は、「参拝客を最優先にしたい」との立場をとっていた。 PR情報この記事の関連情報社会
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