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【社会】

【関連】『非戦闘』の詭弁断罪 空自隊員 被弾常に警戒 遺書書く

2008年4月18日 朝刊

 航空自衛隊のイラクでの空輸をめぐり、政府は「空港と飛行ルートは非戦闘地域」と言い続けてきた。より危険なバグダッドへの空輸を始めた二〇〇六年七月末以降、空自幹部が「いつ被弾してもおかしくない」と言いだすようになってもだ。こんな政府の詭弁(きべん)を名古屋高裁は断罪した。

 「日の丸の存在を示し、米軍とともに汗を流すためだった」。自衛隊関係者はバグダッドへの飛行当初をこう振り返る。「日本政府の『戦闘地域』『非戦闘地域』なんて米国からはクレージーと言われるだけで、日米同盟が緊密化するどころではない。日本政府はそれを承知で空自隊員を派遣してきた」。複数の派遣隊員はバグダッド空港の発着を「とても緊張する時間」とし「非戦闘地域なんてありえない」と話す。

 バグダッドへの飛行途中、自動的に攻撃を感知し、警報音がC130輸送機内に響き渡り、機体からおとりのフレア(火炎弾)が発射されることもたびたびあったという。クウェートの自室に遺書を置いて輸送機に乗り込んだ隊員もいるほどだ。

 空自関係者は「昨年来の米軍増派でバグダッドをめぐる治安はいくらか改善したが、空自機に何があってもおかしくない状況は変わっていない」と話す。

 

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