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大阪府:改革PT案 怒る市町村長 橋下知事、涙で「協力を」--府と意見交換会

 「無責任な案だ。白紙にすべきだ」橋下徹・大阪府知事に、市町村からの抗議が噴出した。府改革プロジェクトチームの財政再建プログラム試案(PT案)を巡る知事と市町村長との協議。市町村向け補助金の大幅削減を掲げたPT案への不満は大きい。住民への影響や、業務の混乱を懸念する首長らはいらだちを隠さなかった。会議終盤、橋下知事は涙ながらに改革への協力を訴えた。【平川哲也、田中龍士、牧野宏美】

 批判を浴びた橋下知事は目を赤くし、声をうわずらせて訴えた。「破産の状態を立て直すことが次の一手。お金はわいてくるものではないので、いろんな要望にお応えできない。改革の機は今しかない」。そして、「大阪を立ち直らせたい。協力お願いします」。

 しかし、会議後、市長らは漏らした。「泣きたい気持ちは一緒だ」「あれがテレビに出ればわれわれが悪者になる。感情的にならないでほしい」

 協議は予定より20分延長し、1時間20分に及んだ。橋下知事は終始張りつめた表情で、背筋を伸ばした姿勢を崩さず首長らの発言を聞いた。市長会会長の倉田薫・池田市長は「改革に協力を惜しまないが、今年度は予算を保証してほしい」と要望。平松邦夫・大阪市長は「医療費助成は府と市で進めてきたセーフティーネットなのに、PT案では市民の負担増が明らか。大阪市で試算すると1人当たりの負担増は年4000~1万2000円に上った」と指摘した。

 竹内脩・枚方市長は「1100億円の削減ありきという方針を除いていただきたい。負担が増える人にはたまったものではない。府の職員が作った案とは思えない」と批判。西口勇・守口市長は「行政のルール違反だ。市町村は予算を既に組んでおり、もはや調整はつかない。協力しようにも協力できない。改革に協力するが、来年度からだ」と語気を強めた。

 阪口善雄・吹田市長は「(府に沿って)市でも35人学級を決めたのに、府がやめてしまうと府と市の信頼関係が崩れる」と訴えた。浅利敬一郎・豊中市長は「PT案は福祉関係や子育ての面で厳しく切り込んでいる。人を笑顔にするという、知事が掲げたことができていない」と話した。

毎日新聞 2008年4月17日 大阪夕刊

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