4月7日、昨年9月にミャンマーで反政府デモを取材中に殺害された日本人ビデオジャーナリスト長井健司さんを撮影したロイターのカメラマンが第92回ピュリツァー賞速報写真部門を受賞した。昨年9月撮影(2008年 ロイター/Adrees Latif) |
[ニューヨーク 7日 ロイター] 第92回ピュリツァー賞が7日発表され、昨年9月にミャンマーで反政府デモを取材中に殺害された日本人ビデオジャーナリスト、長井健司さんの姿を撮影したロイターのカメラマン、アドリース・ラティーフ氏が速報写真部門を受賞した。
ロイターがピュリツァー賞を受賞するのは初めて。
ピュリツァー賞の理事会は、ラティーフ氏の受賞理由を「ミャンマーでの街頭デモの最中に致命傷を負い、歩道の上で手足を広げた日本人ビデオジャーナリストをとらえた劇的な写真」だったと説明した。
現在ネパールで選挙を取材中のラティーフ氏は、電話で「歴史に残り、また人々が当日起きたことを思い出すきっかけになることをうれしく思う」とコメント。同時に、写真の場面が最期となった同じジャーナリストの長井さんに哀悼の意をささげたいと語った。
そのほかでは、ワシントン・ポスト紙が、米国の代表的な軍病院での退役軍人に対する虐待をめぐる報道で公益報道部門、昨年4月に起きた米バージニア工科大乱射事件の報道で速報部門など、合わせて6部門を受賞した。
また、ニューヨーク・タイムズ紙は、医薬品など中国製品に含まれる有害物質を取り上げた記事で調査報道部門に輝いたほか、DNA検査をめぐる倫理問題を扱った記事でも受賞し、2部門での賞獲得となった。
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