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ルモンド紙、ストで休刊 創刊以来初、リストラに反発

2008年04月14日22時35分

 【パリ=国末憲人】フランスを代表する夕刊紙ルモンドの労組が14日、記者らのリストラ案に抗議してストに突入し、同紙は同日の発行を中止した。同紙が社内問題を理由に休刊するのは1944年の創刊以来初めて。同紙の経営を巡る内紛が再燃した形となった。

 労組の声明などによると、フォトリーノ社長らルモンド経営陣は4日、記者約90人を含む社員計130人を自主退社させたり解雇したりするほか、系列雑誌を大幅に廃刊させる再建案を提示。記者の削減数は全体の4分の1に達しており、「かつてない乱暴なリストラだ」と労組が一斉に反発、ストを決めた。

 同紙は76年、パリの新聞が一斉に決行した休刊ストに参加したことがあるが、社内の待遇を理由とするストで休刊するのは初めて。

 ルモンド紙は昨春以降、経営の安定化を目指す株主や経営陣と、報道の独立性を守ろうとする記者らとの間で、深刻な内紛に陥った。このあおりで当時のコロンバーニ社長が事実上解任され、後継社長も約半年で辞任。今年1月に記者会が推すフォトリーノ専務が社長に選任され、内紛は沈静化したと見られていた。

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