「先祖の罪を清算しないと救われない」などと脅され、世界基督教統一神霊協会(統一教会)に約2億2000万円を献金したとして、損害賠償を求めた千葉県の女性(70)に対し、統一教会側が約2億3000万円を支払う内容で示談に応じたことが分かった。
10日に会見した女性は「『先祖が地獄で苦しんでいる』と言われた。だんだんと(求められる)お金が大きくなりがんじがらめにされた」と振り返った。同席した代理人の紀藤正樹弁護士は「事実上の慰謝料を認め、実損額を大幅に上回る額の和解は珍しい」と話した。
紀藤弁護士によると献金は05年までの5年間に行われた。女性が献金返還と慰謝料を求めたところ、統一教会側は当初は応じなかったが、所管の文部科学省とともに提訴する意向を伝えると、先月になって献金額を1000万円上回る解決金を支払うことで合意したという。統一教会広報部は「信者間の和解であり、協会は関係していない」とコメントしている。【銭場裕司】
毎日新聞 2008年4月11日 東京朝刊